今更、日付をつける感じで

(2024/2/12)「星700超えちゃったんだけど、どうしたらいい?」

「星700超えちゃったんだけど、どうしたらい?」


紗奈は姫奈と一緒にゴロゴロと転がりながら唐突にそう言った。


「うーん、おめでとう?」

そう言って紗奈の隣に座り、ゴロゴロ転んで喜んでいる姫奈を片手であやしつつ、紗奈の口に口を重ねる。


もきゅもきゅ。


口を離す際にもう一度どちらかともなくリップ音が鳴る程度に軽く唇を重ねる。


「うーん、喜んでいいのかしら?」

「いいんじゃない? 黒歴史だけど」

「そうね、黒歴史ね」


そう言いつつも、紗奈は枕の上にスマホを置き、カクヨムを開いたスマホに向けて頭を下げた。

それを真似して姫奈も頭を下げる。


「これもすべて応援していただいた皆様のおかげ。

ありがとうございます」

「あーあー」


そして頭を上げて紗奈はもう一言。

「黒歴史だけど」

「そうだね、黒歴史だね」


そこで紗奈はグデーと僕にしなだれかかる。

「今更だけどもきゅもきゅ幼馴染の話数を日付にしてみたわ。

正直、もっと早くしてれば良かった。

もきゅもきゅ幼馴染は2020年から始まった私のカクヨムでのリアルタイム小説だというのに……」

「小説……?」


果たしてもきゅもきゅ幼馴染は小説と言って良いのだろうか?

紗奈と僕の晒し日記だというのに。


「小説よ!

エッセイでも日記でもなく小説よ!

主人公は颯太でヒロインは私よ!」


うんまあ、ヒロインが紗奈であることは異論はない。


「それはともかく最近書けないのよ」

「いま書いてるよね?」

紗奈は話しながらもぽちぽちとスマホで何かを入力している。


「コレはいいのよ、脳みそを通過せず熟練パイロットのように指の反射だけで書いているから」

「……こうして黒歴史は生み出されるんだね」

「……仕方がないことなのよ」


どう仕方ないのか問い詰めたい気はしたがやめておいた。

どちらにしても最後はいちゃに繋がる。


「どうしてもねー、星とかレビューや応援コメントがないと力が出ないのよ。

なんていうのかしら? 火がつかない?」


「なるほど……」

紗奈が散々言っている魂エネルギーの不足というやつだ。

こればかっかりはどうしようもない。


「焦る必要なんてないし、承認欲求としてはマシな方だとは思うけど反応がないと書く意味って何と自問自答してしまうのも仕方がないことね。

こんなときほど次の作品に行きたくなるわ。

10万字書いたら止めようかと今も葛藤してるわ」


僕は紗奈の頭をぽんぽんと撫でる。

「書けるようになったら書いたらいいよ。

紗奈は今年から疲れやすくなるとか言ってたよね、占いで」

「うん、占いで絶下降するらしいから慌てないことが大切よね。

それと颯太、ぽんぽんよりもきゅもきゅ」

「はいはい」

「はいは一回……もっぎゅ」


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。

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