アフター27話「タラッタララッタ〜♩」
「タラッタララッタ〜♩」
ベッドの上で紗奈がクルクルとダンスを踊っている。
それを見て姫奈がきゃっきゃと楽しそうに笑っているから良しとしよう。
ひとしきり踊ったあと、座り込み姫奈を抱っこしたあとに告げる。
「色々と谷間の時期なの」
「疲れているだけじゃない?」
姫奈はよく寝る方だけど、それでも夜泣きが続いている。
どうしても熟睡というわけにもいかない。
「そうかな? そうかも」
そう言って紗奈はリップクリームを唇に塗る。
冬場の乾燥時期でもあるし、そうでなくても僕らはキスが多いので唇も荒れやすい。
それからこいこいと僕を手招き。
「颯太、もきゅもきゅしよ」
姫奈の目を手でそっと隠して、誘われるままに紗奈の唇に唇を重ねてリップクリームを馴染ませる。
それから互いに舌だけを出して絡める。
もきゅもきゅ。
手をどけると姫奈が目をぱちぱちとさせたので、そのほっぺをふにふにとつついておいた。
「最近、小説はリメイクばかりだったから、全然描いてなくてどうにもこうにもな感じなのよ」
「あー、なかなか余裕がなかったもんなぁ。
やっぱり書いていないと感覚鈍る感じするんだ?」
夜泣き以外にも色々と忙しい年末正月だったのもある。
「カクヨムコンの嵐の時期だったから、まあそれはそれでいいんだけど。
牛肉チャレンジもなんとか乗り切ったし」
「当たるといいね」
紗奈は拳を高く上げて高級牛肉への熱い想いを示した。
「とりあえずちょっとずつ、書く感覚を取り戻していかないとどうにもならないわねぇ〜。
ま、慌てずにいくわ」
「それがいい」
紗奈はそう言って僕を指でちょいちょいと呼ぶ。
「……リップクリーム取れるよ?」
「……あとで塗ってくれる?」
そのときは僕の唇から紗奈の唇に移すやり方で塗ることだろう。
再度、姫奈の目のところを隠し、僕らは再度口を重ねる。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
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