アフター24話「カクヨムコンの嵐から完全に避難することにしたわ」

「カクヨムコンの嵐から完全に避難することにしたわ」


紗奈はベッドの上で夜中に起きた姫奈をあやしながら、唐突にそう言った。

粉ミルクも用意しながら僕らは交代で姫奈をあやす。

そろそろ夜泣きが始まりかけているので、これからは体力勝負だ。


でも父母に言わせれば、姫奈はよく寝る子らしく、夜中はこの時間に少し起きて早朝までは寝てくれる。


随分、助かる。


「避難?」

「そ、最初の週で『あかんやつ』な気がしてたけど、やっぱりそうだったわ。

お祭りにしても中心地に密集したお祭りだから、外から眺めるために異世界ファンタジーのお師匠様はカクヨムコンから降りることにするわ」


「なるほど……、それもさっき言ってたカクヨムの流れに関わるんだね」


ゆらゆらと姫奈を抱っこしながら、紗奈は揺れる。


「そうよ。

カクヨムコン後がどうなるかはわからないけど、嵐の中に突っ込むのは得策じゃないわ。

狙うべきは黒毛和牛よ!」


黒毛和牛好きだよなぁ〜、高級なのは食べたことがないけど。


「高級なお肉は溶けるという噂があるわ。

私は真実を明らかにする義務があるのよ!」


それでもきゅもきゅ幼馴染をカクヨムコンに突入させる暴挙は違うと思うよ、紗奈……。


「……寝たわね」

紗奈は静かにベビーベッドに姫奈を寝かせる。

これが不十分なら、姫奈大魔王が目覚め、闇の中での戦いが続く。

つまり寝れない。


幸い、姫奈はスピスピと眠っている。

可愛い。


「……じゃ、寝ようか」

僕がそう言うと紗奈も小さく頷き、電気を消してベッドに2人で入る。


「おやすみ、颯太」

「おやすみ、紗奈」

そう言って、僕らは眠る前にいつものように口を重ねる。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。

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