アフター20話「悲劇、黒毛和牛に乗せられて!」
「悲劇、黒毛和牛に乗せられて!」
「あーうー」
紗奈は姫奈と一緒にベッドの上でゴロゴロと転がりながら、姫奈と一緒に唐突にそんなことを言った。
「黒毛和牛?」
もう年末だから干支か何かかな?
来年は
「これよ!」
紗奈はスマホでカクヨムを見せてくる。
そこには……。
「あ〜」
期間中2週間で1日2話更新で抽選で3名に黒毛和牛が当たるのだ。
紗奈はそれに挑戦しようというのだろう。
「いいんじゃない?」
「……ふっ、颯太からも了解を得てしまったわね。
ならばやるしかないわね!」
「あーうー」
姫奈を指であやしながら、紗奈はそう言った。
姫奈は一生懸命その指をにぎにぎしている。
我が子は可愛いなぁ〜。
なんとはなしに紗奈に顔を寄せる。
紗奈が気付き顔を向けたので、軽く口を重ねる。
もきゅもきゅ。
「なんだか、今日はモヤモヤするなぁ〜っと思ったら木曜日だったわ」
「いつも通りだね」
「それでどれを更新するんだい?
休止している2作?
ストックがキツいんじゃない?」
紗奈はほふーと身体を伸ばす。
いつにまにか姫奈はすぴょすぴょと眠りだしている。
よく寝る娘で良かった。
「そうなのよね〜。
2週間で毎日更新で28話。
1話のボリュームにもよるけど、1500〜3000として、ざっくり5000文字以上を更新することになるのよ。
普通ならかなりキツいわね。
3月のKACも3日ほどの時間があっても皆苦戦してたわね。
だからこそ狙い目なの」
「ほうほう」
そうかもしれない。
ただでさえ、毎日更新すら簡単なことではない。
しかもあくまでもカクヨムコン長編参加だけという縛りまである。
「おおよそ1万が参加数として、すでに10万字を書いた、もしくは今一生懸命書いている人もいる中で、1日2話更新が可能な人はその1/10もいないと想定できるわ。
そしてさらに半分の人がリズムを狂わせてまで2話更新を選ぶとは思えない。
なんと言っても今回のカクヨムコンはさらなる魔窟。
カクヨムコン異世界ランキングを見てみて」
言われるがままに僕はスマホでカクヨムコンのランキングを見てみる。
「たしか上位とそれ以外は極端な差があるんだったよね」
「そうね、そのカラクリが10位以内の人の近況ノートを見ればわかるわ。
なんと10人中9人が書籍化作家なのよ」
それはプロが上位を押さえて、星が付かない中でそれ以外の人たちが頑張っているようなものか。
「うわぁ……、もういっそその唯一の1人が大賞でいいんじゃない?」
「カクヨムコンは新人賞ではないのよ。
だから、書籍化作家でもカクヨム外ならプロ枠に応募しなくていいのよ。
ここに、今回のカクヨムコンの狙いがあるわ!
ズバリ、英雄を生み出すためよ!
……長くなったから、この話はまた今度ね。
具体的には26日以降に……」
「さ、紗奈?
もきゅもきゅ幼馴染が完結表示が解除されているのは、なぜ……?」
紗奈はニヤリと笑った。
「……全ては黒毛和牛のために」
「さ、紗奈ぁ〜?
まさか、この黒歴史をカクヨムコンになんて……?」
「ええぃい、颯太!
覚悟を決めるのよ!
私と一緒に黒毛和牛に魂を売るのよ!」
そう言って紗奈は僕に飛びつき、口を重ねてきた。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
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