アフター4話「胸を熱くさせる作品を読まないと力が出ない〜」

「胸を熱くさせる作品を読まないと力が出ない〜」


紗奈はベッドにのべーと伸びながら唐突にそう言った。


僕は紗奈の頭を撫でつつそれに答える。

なお、娘の姫奈は今日もご機嫌にあうあう言っている。

「ああ……、いつもの木曜日だね」


紗奈は木曜日にはいつもこんな感じだ。

1週間のリズムができているのだろう。


「木曜日はどうして心が湧き立たないのかしら?」

「疲れているからじゃない?」


紗奈は僕のお腹に顔を埋めて、ふすーと生温かい息を吐く。


「確かにそれはあるわね。

木曜日は時間があっても全く頭が働かないわ。

文章を打つ指が疲れているのよ」

「指が疲れるって……」


「でもね、そこで面白い話を読むと回復するの。

つまり不足しているのは魂エネルギーだったのよ!

面白い話プリーズ!

ただし、テンプレ外で私好みの作品に限る」


「カクヨムはテンプレ外は浮上しづらいから、探すのは難しいね」


「そうなのよ〜、魂エネルギープリーズ……」


「ところで紗奈、もきゅもきゅ幼馴染が……、あー、そうか木曜日だからか……」


「そうよ、もきゅもきゅ幼馴染は私の魂の叫び!

魂エネルギーの不足時にこそ更新されてしまう、恐るべき黒歴史なのよ……」


わかっていながら更新してしまう、沼だなぁ……。


紗奈は僕によじよじと登り、ちょいちょいと口元を指差す。

つまりおしまいの合図である。


そんなわけでいつも通り僕らは口を重ねるのであった。


もきゅもきゅ。

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