シーズン3
もきゅもきゅ幼馴染アフター「こそっと……」
「こそっと……」
スマホでカクヨムを見ていたはずの紗奈は、唐突にそう呟いた。
「紗奈、どうした?」
「ひょっ!?
なんでもないわ颯太!
もきゅもきゅ幼馴染がようやく完結できて、姫奈が生まれてなんとなくバタバタしている間に黒歴史が無事に幕を閉じることができたけど、なんとなくもきゅもきゅ幼馴染を再開したらどうなるんだろうとか!
興味本位で更新してみようだとか!
思ってるんだからね!」
ベッドで寝転がる紗奈の頭を撫でる。
生まれたばかりの娘の姫奈はまだ夜泣きは始まっていないが、これからなので戦々恐々としている。
その姫奈はベビーベッドでスピスピ寝ている。
可愛い。
それでも紗奈が夜も寝られるようにフォローするつもりだ。
僕、
そこから720日。
僕らが互いに18歳になったところで僕らは若い夫婦となった。
それからすぐ紗奈は妊娠してこの度、無事に娘の
うん、こうやってまとめてみると僕らの関係は随分と非常識ではある。
出産ということでバタバタしていたこともあり、僕らの黒歴史の象徴もきゅもきゅ幼馴染を更新していなかったのだけど。
「うん、素直でよろしい。
……で、更新するの?」
「うーん、しないかなぁ。
少なくともカクヨムコン用の長編描くまではやっぱり余裕ないし、その後も余裕なさそうだし。
でも時々、こう〜もきゅもきゅの血が騒ぐというか……。
★679まで来たからどうせならとか思うけど、ほんと好き勝手書いているだけだから跳ねる話ではないからねぇ〜」
「なるほど……、それならなんで今もカチカチと打ち込んでいる……?」
「それはね……、あっ、ちょっと待ってね」
そう言いながら、紗奈は僕にしがみつきながら、しばしなにかをカチカチと打ち込んでいく。
そしておもむろにスマホを置く。
「……んじゃ、もきゅもきゅしようか!」
「ングッ」
いうや否や、紗奈は僕に全身で抱きつきなが唇を重ね、僕らはゴロンとベッドの上で転がる。
それからいつも通り、舌も重ねて口を飽きるまで……飽きないけれど重ねる。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
少しだけ口を離し、紗奈はトロ〜ンとした目で僕を見つめる。
……トロ〜ンとした目はお互い様だろうな。
「……うん、やっぱり黒歴史にしかならないから、描くのやめておくわ」
そう紗奈は小さく僕に宣言して、再度、口を重ねる。
……はてさて、その宣言はいつまでもつことやら。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
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