第68話「言ったらなんだけど、ものすごく気分が乗らないわ」
「言ったらなんだけど、ものすごく気分が乗らないわ」
紗奈はベッドの上で上半身を起こして唐突にそう言った。
「そういうときもあるよね〜」
紗奈は疲れているときは、そういうことを言い出すことは多いので今日もお疲れなのだろう。
「……というか、毎週木曜日は狙ったようにそんなことを言っている気がするけど?」
「……不思議よね。
朝起きた瞬間から、『あっ、今日はダメな日だ!』と感じるの。
なんて言うか、朝からダルおも〜?」
そう言いつつ、ノビーとベッドの上に寝転ぶ。
ぽんぽんとベッドを叩き、僕を呼ぶおまけ付き。
僕は紗奈の隣に行って紗奈の口に口を重ねる。
もきゅもきゅ。
抵抗もせずにもきゅもきゅされるがままの紗奈は口を離すとボヤく。
「……もきゅもきゅしてとは言ってない」
「うんうん」
言ってないけど、いつもしているよね。
「しなければ良かった?」
「……別に、もきゅもきゅしないでとも言ってない」
ようするにもきゅもきゅしろということである。
うん、めんどくさいモードだ。
こういうときは寝かしつけるか、それとも……。
僕は再度、紗奈の口に口を重ねる。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅちゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもきゅもきゅもきゅもきゅちゅうもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
……。
口を離すと別の意味でぐったりする紗奈。
「颯太にぃ〜、捕食されたぁ〜」
「うん、美味しくいただいた」
紗奈は再度、身体を起こす。
どうやら少しエネルギーが補給できたようだ。
「小説を書くのってエネルギーがいるから、エネルギーが不足するとどんどん書けなくなるのよねぇ〜。
いま裏で寝取り浮気の純愛ものが99000文字まで来たけど、ポンコツ奥様の話も締めないといけないし、ああああ〜」
色々といっぱいらしい。
「寝取り浮気純愛ものはまだ公開しないの?」
「12月のカクヨムコンまで寝かせておこうかと、ほんとはそれと長編ファンタジーも並行したいけど、こんな状態よ!」
紗奈は万歳と両手をあげる。
うんうん、お手上げらしい。
「そんなわけで颯太。
補給よ!
颯太エネルギーがいるわ!」
「うん、わかった」
「そこは、はいはいと2回言うところよ!」
「はいはい」
そう言いつつ紗奈の頭を撫でながら、紗奈の口に口を重ねた。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。
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