第50話「寝取り浮気の当人たちの純愛とか浮かんだのよ」
「寝取り浮気の当人たちの純愛とか浮かんだのよ」
紗奈が僕に引っ付きながら唐突にそんなことを言った。
「寝取り浮気しておいて純愛?」
「うん。
テンプレ寝取り浮気でなにか書けないかなぁと思って考えてたのね。
浮気されて美少女と出会ってとかの方のテンプレだと面白さはよく分からないから、チャラ男側で考えてみたのよ。
そしたら……純愛になった」
僕の頭ははてなマークでいっぱいだ。
「浮気してる時点で純愛とか、無くない?」
紗奈は僕に顔をすりすりしながら答える。
「リアルで考えるとそうなのよねぇ……。
そういうタイプの思考をトレースしてみたんだけど、恋愛ごとで幸せになるのはちょっと無理そうなのよね。
だから本質自体は浮気性ではなくて、家庭環境での歪みが修正されて純愛になっていくって感じかしら」
「重い話っぽいね」
「そこはアレよ。
表面的にはチャラ男っぽく明るい話にするのよ。
結果的に純愛になってる、みたいな」
まあ、僕なんかは、話を重くしてしまうと寝取り浮気に救いがあるのもなんだか変な気がしてしまうからね。
「それとチャラ男とヒロインとは別のヒロインたちとの絡みの展開を考えてたら、会話とか展開がハーレム物と一緒だと気づいちゃったわ」
「どういうこと?」
「性格が陰キャとか立場がボッチなだけで、ハーレム物ってやってる行動とか会話って、チャラ男とそれに引っ掛かる女の子と同じってこと」
「……えっと、それは流石に。
……そうなのか?」
「うん、チャラ男ってあんな感じでしょ?
チャラい感じなだけで、女の子に優しかったり、でもこう〜恋愛的にはそれっぽくアプローチしたり……」
……それについて僕は検証はしないでおくことにした。
きっと気づいてはいけないなにかがそこにあってしまう気がしたから。
とりあえずこの話は終わりとばかりに紗奈の口を口で封じてた。
紗奈も話して満足したのか、僕にしがみついて僕の舌に舌を絡ませた。
もっきゅもっきゅ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます