第47話「ウガー、なんでもいいから書くのよ!」
「ウガー、なんでもいいから書くのよ!」
つい今までスマホでマンガを読みつつ、ベッドの上でコロコロ、時々、僕を手招きして口を重ねてもきゅもきゅ。
それを繰り返していた紗奈は唐突にそう言いながらスマホを掲げて立ち上がった。
「いつも通り唐突だねぇー」
僕がそう言うと紗奈はバシバシとベッドを叩きながら主張する。
「気に入っている作品は即座に読み終わっちゃうし、熱い新作は見当たらないし、不満がいっぱいなのよー!」
紗奈はお怒りらしい。
紗奈の隣に座り頭を撫でて唇を重ねる。
それで紗奈は少し落ち着いたらしく、コテンと僕の肩に頭を乗せて最近のカクヨムについて話出す。
「正直に言うとカクヨムコンの結果には少し期待したのよ。
あっ、私が選ばれるとかそういう意味じゃなくて、書籍化されるほどの面白い作品が見つかるかと思って」
「そういう言い方をするということは違ったのか?」
「そうね。
特別賞とかの作品は例年通り期待感のある作品が選ばれたけど、大賞については見る限りテンプレなので、それは私の求めるものとは違うわね」
これは誰しもがあるところだろうが、大衆にとっての面白いと個人で感じる面白いは違う。
選評でも触れているが、カクヨムコンはどちらかと言えばテンプレ、および流行りを選ぶのであってライトノベルとしての面白さを選ぶコンテストとはまた違ったものだ。
「流れってあるのよね。
今のランキングも流行りものが主流で読んでみたけど、心を揺れ動かすほど面白い!という感覚はなかったわ。
まあ、そういう作品って元々マレなんだけど。
でも!
私はそういうものが読みたいのよぉぉおおお!!!」
紗奈が吠える。
「夜だからもう少し静かにしようね?」
僕がそう言うと、紗奈はキョトンとしたあと、ペロっと舌を出す。
「じゃあ、颯太。口塞いでくれる?」
そう言って催促するので。
僕も舌を出して紗奈のその綺麗な舌にゆっくりと触れさせる。
互いにゆっくりとそれを触れ合わせ、どちらかがもしくはお互いが我慢できなくなって舌を含みながら口を重ねた。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。
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