第38話「星クレ〜!」
「星クレ〜!」
さっきまで大人しくベッドの上に座り、スマホでカクヨムを見ていたはずの紗奈は唐突にそんなことを言った。
隣に座り、紗奈の頭を撫でる。
「突然、どうした?」
紗奈は僕の腰にガシッとしがみ付く。
「そういえば星クレってやったことなかったなぁって。
もきゅもきゅ幼馴染は検証がテーマなのに」
「うん、まず検証がテーマということが驚きだ」
「何を言うの颯太!
検証はシーズン1から変わらないテーマよ!?」
「呼んでくれている人の99%はそれがテーマだとは知らないと思うよ?」
ヨヨヨと紗奈は倒れるふりをする。
んで、すぐ起き上がる。
「まあ、良いわ。
それよりも星のお願いのことよ。
本当は章の終わりなどに『ちょっとハマったかも〜とか思う人は星をお願いします』とかつけると効果は絶大なんだけど、私はそれをすることはないわ」
「随分前にそのこと言ってたね」
紗奈は小説のリズムを優先するので、後書きなどは作品に入れないのだとか。
「要するにただの個人的なこだわりよ。
それはまあ良いんだけど、せっかくだし検証も兼ねてもきゅもきゅ幼馴染でこうやってお願いしてみようかと。
……ただしもきゅもきゅ幼馴染は星をたくさん付けてもらっても、黒歴史が晒されて恐ろしいだけなんだけど。
だから言っては見たけど、やめてぇ〜」
紗奈は枕に頭だけを隠して、ガクガクブルブルと口で言う。
「……そう思うなら言わなきゃ良いのに」
そう言うと紗奈は枕から顔をあげ、フッと意味ありげに笑う。
「……世の中には、やっちゃいけないけれどやってみたいことって、あるのよ?」
それがコレなんだ……?
そう言いつつ紗奈は再度、スマホでカクヨムを見る。
「ところで寝る前に、なにか穏やかで楽しい気持ちになれる作品でもないかしらと見てたんだけど、この時期は皆疲れるのか、あまり多くお気に入りは見つからないのよ。
更新があったら即読んでしまうのもあるけど」
「それが本題なんだね?」
そりゃあ、読んだら次の更新まで待つしかないよね。
「とりあえず、颯太にもきゅもきゅして寝ることにするわ」
「はいはい」
「はいは一回!」
そう言いつつ僕らは口を重ねる。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
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