第2話「反省したわ……早速さらしてしまったわ」

「反省したわ……早速さらしてしまったわ」

「反省するの早すぎない!?」


僕らのベッドで寝転がっている紗奈がさっき公開したもきゅもきゅ幼馴染シーズン2を早速後悔していた。


「だいたいもきゅもきゅってアレよ?

アレなのよ。

アレする幼馴染ってタイトルってどうなのよ?

タイトルだけで黒歴史とか、それって黒歴史を非公開にした意味なくない?」


紗奈はぶつぶつと自問自答している。


ものすごく、なんというか……。

「だったらなんで再開したんだ?」


後悔するなら、しなければ良かったのではないか。

後悔は先に立たないという人の性質はあれど、いくらなんでも。


「いやぁ〜、なにかを書きたいと思って色々試したんだけど、私たちの日常ほど脳みそ空っぽにして書ける作品ってなかったのよ〜」


「そりゃ小説は脳みそ空っぽにして書くものではないよね?」


「それに私の中で颯太以上に相性の良い人いないし」


それはどういう意味だ?


「だいたいなんでこの作品は僕が主人公なんだ?

紗奈の話なんだから紗奈が主人公でよくない?」


ふふんと紗奈は半身を起こして胸を張る。

「前にも言ったでしょ?

それだとエッセイじゃない。

ジャンルが変わるわ!」


そこにこだわりがあるのか?

紗奈なりのこだわりがありそうだけど。


「もはやコレもラブコメとか言えないけど……」

「颯太ぁ!

言うてはならんことを!

口封じよ、いつも通り」


そう言って紗奈は唇を突き出し催促する。

そう、いつも通り。


もきゅもきゅ。

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