724日目その2「いや、そういうことじゃないのよ」

「いや、そういうことじゃないのよ」


散々イチャイチャした後で、ベッドの上で2人でスマホでカクヨムを見たりして、ゴロゴロしながら落ち着いたところで紗奈が唐突にそう言った。


「どういうこと?」

「別に安易なエロを目指しているわけじゃないのよ!

そりゃあね?

タイトルに刺激的な文言を入れれば、あら何かしらと興味を持って見てくれる人は多くなるわ。

でもソレジャナイのよ!


もっとこう〜、持ち味を生かしたようなドキドキワクワクなのよ!

こう〜分かるかなぁ〜?」


「うん、分かんない」

「もういい!

もきゅもきゅする!」

そう言って紗奈は僕と口を重ねる。


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ。


ぷぅ〜と満足気に口を離して紗奈は話し始める。

「実際のところ、書きやすい話って私としても面白く感じやすいのよ。

それはつまり筆が乗っているということでもあるから。

それでいうとイチャイチャ幼馴染はかなり書きやすいのよ。

私たちの日常を文字にしてるだけだから、脳みそから空っぽで書けるし」


「だから、こんなに勢いでもきゅもきゅばかり書いてるんだね……」

小説としてはどうなんだと思わないではない。


「日常系だから良いのよ。

こんな感じの短編連載読みたいし」


まあ、僕としても幸せな日常系というのは嫌いじゃないし、読みたいと思う。


「イチャイチャ幼馴染が終わった後、どんなの書こうかなぁと思って。

なかなかここまで書きやすく、しかもPVが33万超えとか嬉しいんだか怖いんだか、分からない作品とか無理だしね」


ふむふむ。

イチャイチャ幼馴染はもきゅもきゅで長いこと僕らは自制していたから、ここまで抑えて来たけど。


「厨二病じゃないけど、これ以上は暗黒のイチャイチャオーラが抑えられる気がしないのよ」

要するにもっと過激になってしまうのだ。

それは僕も紗奈も望むところではない。


紗奈は僕の唇に指で触れて。


「ま、ゆっくり考えるわ」

そう言って再度、口を重ねてきた。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。

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