711日目(残り19日!)「先輩。こんなことして……そういうつもり?」
「先輩。こんなことして……そういうつもり?」
ベッドの上で紗奈を下にして、その両手を彼女の頭の上で軽く押さえている。
両手を押さえられて身動きの取れない紗奈は、僕を睨みつけるような顔をしてそう言った。
僕はそれに応えずに、紗奈の両手を押さえたまま、彼女の唇を奪う。
「んっ……」
紗奈が催促するように口を開くので、要望に応えてそのまま舌を絡める。
もきゅもきゅ。
口を離してから僕は尋ねる。
「それでこれはどういうこと?」
動きを押さえつけているはずの僕の方が逆に尋ねている時点で、この状況の意味を察して欲しい。
「う〜ん、答える前にもうちょっと……」
そう言って紗奈はちろっとそのむしゃぶり付きたくなる舌を見せるので、ご要望に応えて再度口を重ねる。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。
「そろそろ唇も荒れやすい時期だから気を付けないとね」
両手を押さえつけられたままで紗奈はそんな暢気な感じ。
結局、これが何かというと……タイトルで惹きつけられる言葉というやつを検証してみたのだそうだ。
「これだけ見ると、先輩と呼びかけた後で、こんなことってなんだろうとか、そういうつもりということは、先輩と後輩で何かあるのかなって妄想がかき立てられる気がしない?」
「それは、まあ……」
「実際似たようなタイトルがあって、あ、これいいかもと思ったわけよ。
ちょっと前に比べて長文タイトルで引く作品も減ったし、最近は原点回帰というか意味ある言葉で引くのもありと思ってね」
「なるほど……」
「さ、検証はこれでオーケーよ。
颯太、離していいよ〜」
「……離していいということは離さなくても良いんだよね?」
「ふ、颯太?
く、くすぐったい!」
紗奈の首すじに顔を埋め、その首筋にキスを落とす。
「颯太!?
何を……んっぐっ」
何も言わせまいと紗奈の口を奪う。
もっきゅもっきゅ。
「し、しまった!?
狼颯太に捕まった!?」
「ウサギ紗奈が自分から捕まえられにきたけどね?」
「あうー、逃げられないー」
そう言ったので両手を押さえた状態で再度、唇を重ねると紗奈も目をとろんとさせた。
「……いただきます」
「……召し上がれ」
そうして僕らは口を重ね……。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。
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