696日目(残り34日目……?)「あれ? 日数間違えてる?」

「あれ? 日数間違えてる?」

「間違えてるね」


つい先程まで……今、現在もだけど、もきゅもきゅしながらベッドでゴロゴロしていたら紗奈が唐突にそう言った。


なお、僕の誕生日は昨日。

その余韻がどうしても残って今日に至る。


多くは言わないがとても大切なものをもらった。


その瞬間というのは、そうと分かって迎えるにはあまりにも強い覚悟が必要な気がした。


互いをギュッと抱きしめ合い。

命が芽生えやすい日ではないけれど、自分1人では背負えない人生の重さを背負う覚悟を持つ必要がある。


僕らぐらいの年齢だとただ快楽を求めてそうすることの方が多い中、全てを賭けてそうしたのだ。


その瞬間は僕と紗奈を阻む一切は存在しなかった。

全てを交わした後、2人でなんとなく笑って……キスをした。

それはとても甘くて、どうしようもないほど……幸せだった。


……それからことあるごとにもきゅもきゅしてるけど。


それはともかく!!!


「いつから間違ったんだろ?」

「…っていうか、今まで気付かなかったんだね、僕もだけど」


紗奈はイチャイチャ幼馴染の最終話を12/6の紗奈の誕生日に設定していた……はずだ。


ちょうど一ヵ月後だ。

つまり……。

「今、701日目で残り29日だったわ!!!」

「いつの間にか30日切ってたねぇ〜」


そういうことなのだ。


「2年って長いのねぇー」

「紗奈は思い付きで書いてるからね……」

「それは秘密よ!

颯太を口封じするわ!」

「はいはい」


そう言って僕らは口を重ねる。

もきゅもきゅ。


「ねえ……颯太。

今日は……どうする?」

もきゅもきゅをして口を離した後、紗奈は僕を伺い見るようにそう言ってくる。


どうする、とは文字通り1つの身……。


僕が口を開く前に紗奈が手でストップをかける。

「おっと!颯太!!

それ以上、口に出してはダメよ!

カクヨムは青少年にも健全なサイトよ!」


「最初っからずっとだけど、紗奈が書かなければ良いだけだよね?」


いつもなら勢いに任せて、口を塞ぎに来る紗奈だが今日は目を細めて微笑して、その綺麗な舌をイタズラっぽくちろっと見せてくる。


「……もちろん、ここからは颯太だけにしか見せないもの」

「そう……なら良いか」


そう言って僕は紗奈の舌を自分の舌で絡め擦り合わせる。

「美味しぃ……、今更だけどもきゅもきゅが美味しいっておかしいよね」

「ほんと今更だよね……」


そして僕らはまた口を重ねる。

もきゅもきゅ。

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