685日目(残り45日)「書きたいなぁ」

「書きたいなぁ」


僕の隣で勉強していた紗奈はペンを持ったまま唐突にそう言った。

そして。

「……と思うわけよ」

「そうか、それは良いことだね」


僕がそう言うと紗奈は頷く。

「そうなの。

書きたいものがある、それはとても良いことなの。

でも時間はない」


誰もが言う。

結局、人はその24時間の使い方に悩むのだと。

とりあえず今日はここまでと僕らは机の上を片付けて、ベッドに2人で入り口を重ねる。

もきゅもきゅ。


「とりあえず今月と来月はこんな感じね。

あれ?結婚前にイチャイチャ幼馴染を書く時間ものないかも?」


書くのが早くても、1時間の集中した時間の確保は何気に難しいものだ。

それらの時間をどう調整して小説を書くか、結局そこに行き着くのだろう。


勉強疲れもあってか、上手く頭が働かないのだろう。

前置きもなく、僕の唇を数度奪い、最後には熱く舌を絡ませる。

もっきゅもっきゅ。


「……とりあえず今日は颯太を襲って寝ることにするわ」

「襲われるんだ?」

「颯太を襲ってるはずが、いつも私が襲い返されてるんだけど、結果は同じだから良いかなと思ってしまっている私がいるわ。

でも襲いたいの」


言っていることが訳わからないが、紗奈は疲れているのだろう。

とにかく紗奈が催促するので、僕らはしがみ付いたままいつものように口を重ねた。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。


あとはまあ……そういうことで。

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