673日目その2「感情を揺さぶってみよう!」
「感情を揺さぶってみよう!」
ベッドに転がってゴロゴロしていた紗奈は僕の上によいしょっと乗り上げながら、唐突にそう言った。
僕は言葉で返事をせずに舌を出して見せると、グッと紗奈が言葉に詰まったように躊躇する。
すぐに僕の様子を伺うようにちろっと見てから、上から紗奈も舌を出して僕の舌に這わせる。
そのまま。
もっきゅもっきゅもっきゅ。
「……変態」
口を離して赤い顔で紗奈が訴える。
「今日は紗奈からだよ?」
「うるさい」
そう言って再度口を重ねてくる。
もきゅもきゅもきゅもきゅ。
「……颯太とのもきゅもきゅ、美味しいんだけど?」
「僕に不満げに言われても困る。
僕も紗奈とのもきゅもきゅ美味しいよ?」
「……もうちょっと」
そう言って紗奈から再度、口を重ねる。
もきゅもきゅ。
「……これはダメね。
感情以前の問題だわ」
「際限ないでしょ」
「もきゅもきゅが美味しいと感じるということは、私と颯太は遺伝子的にとっても相性が良いということかしら?」
「今日はどうした!?」
いつもぶっちゃけ過ぎだが、今日はより一層ぶっちゃけてるよね!?
「……検証しておこうと思って。
テンプレ的な感情には心が動かないけど、それは否定されるべきではないわ。
でも書けないものは書けないの。
それなら別のパターンで感情を動かせるように考えないといけないと思うの」
「それがエロなのはちょっと良くないかなぁ〜?」
そう言うと紗奈はキョトンとして首を傾げる。
「エロじゃないわよ?
私と颯太の絡みは颯太にしか見せることがないもの」
紗奈にとってはもきゅもきゅはエロではないらしい。
そう言うと紗奈は。
「もきゅもきゅはほら……仕方ないし」
それで片付けて良いんだろうか?
「私たち色ボケだし?」
「それは否定しない」
「うーん、でも私たちにしてみれば今更もきゅもきゅは日常だし?」
「それも否定しない」
「……なんだかもきゅもきゅしたくなってきたわ」
紗奈がちろっと舌を見せて僕を挑発する。
少しだけ顔が赤いので、誘うのはまだ恥ずかしいと思うらしい。
僕は紗奈の舌を啄むようにしながら、キスをする。
その際、小さくその紗奈の舌を優しく吸う。
口を離すと紗奈は隣にコロンと転がり、スマホでカクヨムで公開したイチャイチャ幼馴染を確認する。
「……分かったわ。
もきゅもきゅを細かく表現するからダメなんだ。
エロくなりすぎるから、もきゅもきゅという表現に変えてたのに忘れてたわ」
「……紗奈は疲れてるとそういう暴走するよね」
「……そうね、するわね。
気をつけるわ……」
「手遅れだと思うよ……」
グデーンと伸びた紗奈の頭を撫でる。
それから紗奈がこちらを向いてムーと口をとんがらせるのが可愛くて、そのまま口を奪う。
紗奈も僕にしがみ付いて奪われるままに。
僕らはもきゅもきゅを繰り返した。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
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