648日目(残り82日)「こういう時は更新してはいけないのよ〜、多分?」

「こういう時は更新してはいけないのよ〜、多分?」


紗奈は僕らのベッドにダイブするように転がり、唐突にそう言った。

なお、すでに僕はベッドに寝転んでいたので、紗奈は僕の上にダイブしたことになる。

「おうふ!」


それでも衝撃はあるけど、重いというほどではない。

とりあえず飛んで腕に入る秋の紗奈。


これ幸いと抱きしめてから口を奪う。


もきゅもきゅもきゅもきゅ。


口を離し、紗奈の口元を優しく指で拭い、再度、口付けしてから尋ねる。

「それで何を更新してはいけないって?」

「これよ!」

「あー」


公爵の話だ。

確か、紗奈はこれで昨日はぐったりしていたはずだ。

そのまま筆を折ってもおかしくなかったとは思うが、復帰したらしい。


「まあね。実際、100万字重ねたところでようやくテーマが伝わる程度。

言葉というものは存外、何かを伝えるには簡単ではないわ」


「まあ、そうだね。

10人が順番に言葉を伝えていけば、10人目では全く真逆どころか、一言も同じ言葉がないぐらいに変化してしまうからね。

それこそ世界が違う話を伝えるんだ、簡単なわけがない」


「そうなのよねぇ〜。

真逆に伝わるだけマシなのかしら?

いやいや、そんなわけがない。


とにかく!!!

こういう時にはつい勢いで更新してしまうのよ!

更新しなかったら、ずっと止まる気がするから。

でもストックが〜ストックをー。

続きを書く気はしないのよー、ストックだけが減るのー」


とりあえず紗奈の頭を撫でる。


「まあ、後悔のないようにね」

「そうねー」

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