残り110日「どうにも抑えが効かないわね」
「どうにも抑えが効かないわね」
つい先程、乱れたベッドを整え直して、もう一度抱きしめ合うように横になって。
横を向きながら繰り返し、リップ音を立てた軽いキスをその唇に交わしたところで紗奈は唐突にそう言った。
「抑え……効かないねぇ」
今日は1日中、寝転がってイチャイチャしていた気がする。
「私たちのことじゃないわよ?
私たちはよく我慢しているわよ。
ギリギリのラインを守らなかったら、今日で確実に子供が出来ていたわよ」
そうなってもおかしくないぐらいには、イチャイチャしてしまったということでもある。
いやいや、それでも今日はタガが外れたような感じが。
「嫌だった?」
紗奈にちょっと不安そうに上目遣いでそう言われては。
「そんなわけがない」
「あんっぐ」
そう言って口を口で塞ぐ。
もっきゅもっきゅ。
口を離すと、えへへと嬉しそうに僕の胸に顔をする寄せる。
それからスマホを手に取り操作して、カクヨムの画面を見せてくる。
「これのことよ」
それはまだ公開していない部分の話。
現在、紗奈が執筆している例の作品だ。
それに軽く目を通して……。
「あー、うん、そっか。
そうなるよね……」
「そうよ、私と颯太が離れ離れになって、再開出来たらこうなるに決まっているわ。
むしろ今度こそタガは完全に外すでしょうね。
愛し合う2人はそういうものよ」
言われてみれば、である。
しかし、その部分を表現していない作品は多い。
あえての場合もあるし、ちょっと違う関係性のせいもあるし。
紗奈はスマホを枕の上の棚に戻しながら、また僕の胸に顔を埋める。
「その部分は悩みどころなのよ。
無いと嘘くさいし、かと言って過度に性的なのは論外だしバランスが重要なのよね……」
僕は紗奈の頭を撫でつつ、時々、紗奈が顔をこちらに向けたら唇を重ねる。
数度唇を重ねたところで紗奈は。
「……ま、いっか。
なるようになるでしょ。
彼らの心のままに任せて表現するわ。
……流石に私たちがしているような、もきゅもきゅは書かないけど」
そう言って紗奈は綺麗なピンクの舌を出して僕に催促する。
だから僕と紗奈は互いの舌を軽く触れ合わせ、我慢出来なくなったところで口を重ねる。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。
まあ、今日はずっとこんな感じ。
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