残り115日その2「戦略ものを書きたいのよねぇ」
「戦略ものを書きたいのよねぇ」
僕の隣でスマホ片手にベッドの上にゴロゴロと転がりながら、紗奈は唐突にそう言った。
さらに紗奈は僕が何かを言う前に言葉を続ける。
「でね、でね、出来るだけリアル志向にしたいんだけど……」
「だけど?」
紗奈は渋面な顔を作り僕にしなだれかかる。
「性的な部分を無視出来なくなるのよね……」
「そうなんだ?」
「そうなのよ。
なんて言うのかしら、命が軽い世界だとどうしても子供を次から次へと産まないと人類が滅びちゃうから、どうしてもそういうのは軽くなっちゃうのよね。
でもそれが過ぎると、やっぱりライトノベルとは言えなくなる気がするのよ。
第一、そこまでのは書きたくない。
なのでその部分には触れない、もしくはコミカルに流すテクニックが必要になるかなって」
「ふむふむ」
「策謀とかありつつ、当然、チートとかは世界観をぶち壊すから無しとして、ちょっとだけ主人公の優位性を保つ何かが有ればそれで……」
「ふむふむ」
「今、書いてる暇ないけど」
「さっきそういう話したね」
暇が無くなるって。
特に前振りもなく紗奈と口を重ねる。
もきゅもきゅ。
紗奈は口元をペロリと舐めつつ。
「いずれは書いてみたいなぁって。
多分、軽い話ばかりじゃなくて、割と智略を尽くした話って求めてる人は多いと思う。
私もだけど」
もう一度紗奈から口を重ねてくる。
もきゅもきゅ。
口を離してから、軽く触れる程度のキスを紗奈の唇に落とす。
「そういう話はしっかりと先まで展開を練る必要があるから、じっくり時間をかけてまとまったらで良いんじゃない?」
「それもそうね……。
とりあえず今はもきゅもきゅの続きをすることにするわ」
そう言って紗奈は僕の首の後ろに腕を回してしがみ付くので、紗奈の背を優しく包み、僕らは口を重ねる。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。
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