残り116日「長編で書籍化を目指した作品って、そういえば書いたことなかったなぁ」

「長編で書籍化を目指した作品って、そういえば書いたことなかったなぁ」


ベッドの上でゴロゴロ〜、ゴロゴロ〜。

2人でゴロゴロ〜としながらイチャイチャしているところ、紗奈が唐突にそう言った。


「そうなんだ?」

そう言うと紗奈がゴロゴロと懐いてくるので頭を撫でておく。


「……そもそも何が違うの?」

「ふっふっふ、よく聴いてくれた、颯太くん! あぐっ」

ドヤ顔してこちらに顔を向けたので、口を重ねておいた。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。


口を離すと紗奈はぐったりと僕にしなだれかかる。


「うう……、颯太がいじめる〜」

「いじめてない、いじめてない。

可愛がってる」


今もドヤ顔が生意気で可愛かったからもきゅもきゅしただけだ。


「とにかく!

それは兼ねてより言っているように、書籍とネット小説ぐらい違うわ!」

「……ああ、確か書き方自体が違うんだっけ?」


色々検証している人が沢山いるから細かいところはともかく、ネット小説はとにかくノリが大事だとか。


「そうね、それでもある程度人気があるものからチェックが掛かるから、ネット小説の書き方をまるっきり無視すると書籍化することはほぼないわね。


最低ラインのバランスを踏まえつつ、書籍化した時に売れそうな話が選ばれるわね。


さらに!

各コンテストは毛並みも違うから、一概にどのパターンの小説が良いというわけではないわね。


カクヨムコンやカクヨム系のコンテストはテンプレを踏まえた作品が選ばれやすいとか、ね。


あくまで今のところは、だけど」


ふむふむ、改めて聞くと当然といえば当然だね。

でもまあ、今更ではあるんだけど……。


「紗奈はテンプレ書けないよね?」


「……いくつかパターンを崩せばいけなくはない、と思う。

ただ最初の話に戻るけど、書籍化を意識したテンプレはやっぱり書けないかも。

例えばの話。


私は読者として、ギャグ以外では最強のタイトルが付いた作品は小説であれ、漫画であれ、まず買わないわ。

タイトルやオビで見た瞬間から候補から外すわ。

もう見飽きたというのが1番ね。


けれど、今までそちら方面を触れていない人からしたら、やっぱり面白いジャンルなのよ。


じゃあ、それで売れるから私がそのテンプレ的最強を書き切れるかといえば……正直、無理だろうなぁとは思う。


最後は自分が読みたいかどうかを優先するし」


「じゃあ、無理じゃない?」

「そこはほら、最強以外で何か考えるとか……、想像つかないけど……。

あれ? そうね、ダメね!


今、颯太と検証した結果、無理ってことが分かったわ」


納得がいったらしく、ポンポンと僕を叩き、紗奈は顔を向けて目を閉じる。


もきゅもきゅを催促されたので、要望通り僕は紗奈の口に口を重ねゆっくり舌を重ねる。


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。

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