残り123日「全てはリメイクである」

「全てはリメイクである」


ベッドの上でゴロゴロしながらスマホでカクヨムを見ていた紗奈が、唐突にそう言った。


紗奈が僕に呼び掛けるように何かを言う時は、そろそろ構えという合図である。


なので僕は机の上の勉強道具を片付けて、ベッドの紗奈の隣に座る。


「なんのリメイク?」

「あ、ところで颯太。

私、颯太との子供が欲しいわ」


突然、何を言ってるのかなぁ〜!?


「いつも唐突だけど、今度もいつもに増して唐突だね?」

「そうね。

いつも思ってるけど、今日は改めて口にしてみようと思って」


「ふむ?」


とりあえず僕を見上げる紗奈の口に僕の口を重ねる。

もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。


口を離すと、紗奈がふ〜むと首を傾げる。

「どうした?」


紗奈は僕をジーッと見上げた後、コロンコロンとベッドの奥に転がり、ぽんぽんと自分の隣を叩く。


寝っ転がって隣に来いと。

僕は言われるがまま……というか、言われてはないけど行動で示されるままに隣に寝転がる。


「寝転がったけど?」


すると紗奈はよじよじと、擦り寄るように僕の身体に登ってくる。

柔らかくて温かくて、紗奈の匂いで理性が飛ぶのを我慢しながら紗奈が僕の上に登りきるのを待つ。


下から見上げる紗奈はやたらと色っぽく見えて、僕の理性はさらに死にかける。


登りきった紗奈は上から、ちゅっちゅと唇にキスを落とす。

「さ、紗奈……、それ、流石に、スイッチ入るから」


僕らにとってキスは、もきゅもきゅ以上にスイッチが入りやすい。

……というか、限界。


「……さっき勢いのままに本音を言ってみたけど」


紗奈はそう言いながら、合間に唇を重ねてくる。

もう颯太ごんは限界にござると頭の中で僕が訴えている。


もう少し、もう少し耐えろ!

欲望のままに突っ走ってはいけない!


その間も紗奈の柔らかな唇が僕の脳髄を焼き尽くす。


「……私のスイッチ入ったから、颯太のスイッチも押しとこうと思って」


あ、いいんだ?


「んん……」

僕は紗奈を抱きしめ、今度は僕から紗奈の唇を奪う。


そんなわけで今日はここまで。

後は……。


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。


結局、リメイクってなんのことだったのだろうという考えは、すぐにもきゅもきゅの彼方に消えていった。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。

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