1年と198日目「たまにとことんまで颯太と堕ちたくなる時があるわ」
「たまにとことんまで颯太と堕ちたくなる時があるわ」
今日は少し早く勉強を切り上げて、2人でゴロゴロしていると紗奈が唐突にそう言った。
「堕ちる?」
「そう、堕ちるの」
僕は何を意味するのか考えてみる。
「う〜ん、それは18禁的な?」
「18禁的な」
それはどう答えて良いんだろう……?
「カクヨムで晒さなければ良いんじゃない?」
それはつまりまあ、そういうことだよね?
何度も話し合っているように、僕らはお互いに愛し合ってる夫婦だと思っているし両親に話もついている。
そもそも、あと半年ほどで籍も入れるから名実ともに夫婦になる。
今更ではある。
「そうね、カクヨムで晒しちゃダメね。
その時点で私たちの愛あるテーマから肉欲が先行してしまうから、与えるメッセージが全く違うものになってしまうわ」
えっと、そういうことでは……そういうことなのか?
悩む僕にちゅっと紗奈から僕の唇にキスが贈られる。
最近、またキスが増えてきた気もする。
「時々、作品だけじゃなくて現実でも、好きじゃなくなったから、浮気に走ったとかどうのこうのとか聞くでしょ?
アレってすっごく納得いかないのよねぇ〜」
こういう価値観は紗奈と僕とで共通している。
だから言いたいことはよく分かる。
「そうだよね」
好きという感情の期間は最長でも4年間ほどだと言われている。
つまりそういう人は、4年間の間で必ず浮気をすると言っているようなものなのだ。
世の中にはそういう人は確かに存在するし、逆にそうでない人も存在する。
だけど物語になりやすいのは前者だ。
何故なら物語を作るアクシデントが発生しやすいからだ。
そうは言っても、そういう人が主人公やヒロインにされてはハッピーエンドがあり得ないし、あり得ても先行きは暗い。
物語でハッピーエンド感を出したとしてもだ。
ところで……。
「それと堕ちることと、なんの関係が?」
僕がそう言うと、ちゅっとまた紗奈からキスをされる。
求められるばかりでは、良くない気がしたので僕も紗奈の唇に唇を重ねる。
そこから。
もきゅもきゅ。
紗奈が僕の首に腕を回し、半開きのうるんだ唇を僕に見せつけながら、トロンとした目をする。
「……ううん、特に意味はない、よ?」
よ?と可愛く言われると僕の脳みそはもう沸騰ダイナマイト。
あ、うん……、とにかくもう考えるのをやめて紗奈の口を奪った。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。
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