1年と187日目「30万PV。ついにこの日が来てしまったわ」
「30万PV。ついにこの日が来てしまったわ」
紗奈は僕の隣でムクリとスマホ片手に起き上がりそう言った。
「それは何というか、おめでとう?」
「ありがとう。
……どうして疑問系なのかしら?」
いやだって……、1年半前の最初の頃ならともかく、今ではこう……晒し過ぎだし。
紗奈はおもむろにスマホを枕に置いて拝む。
僕も身体を起こして、同じように。
「ここまで来れた……来てしまった?
とにかく皆様のおかげです。
とりあえずイチャイチャ幼馴染は晒し過ぎているので、ここ最近の分はそっとしておいていただいて、最初の100日までを読んで頂ければ……」
「……実に都合の良い話だよね」
「……仕方ないの。
溢れんばかりの幼馴染(颯太)愛が溢れて止まんないんだから」
溢れてないのか、溢れているのか。
30万PV……簡単に言うと340話ぐらいあって途中までの人も含めて1000人ほどが読んでしまっていることになる。
1話だけのチラ見を含めると1万近く……。
そんな沢山の人に向け、晒し続けている。
「恐ろしいものだね……」
そこで紗奈は決意の眼差しで遠くを見る。
「そのタイミングにおいて、GSこえけん。
これは運命よ。
カクヨムが囁いているのよ、紗奈、恥を晒しなさいって」
「うん、とりあえず恥は晒さないで?」
最悪、僕は良いが困るのは紗奈だと思う……。
そこで紗奈はフッと笑う。
「もちろん別作品として書くわ。
もきゅもきゅは危険なので書かずに」
紗奈は別で普通(?)のファンタジーも書いているからとりあえず大丈夫かな?
「どんな話を書くつもり?」
「私たちの日常よ!」
「うん?」
「私たちの日常」
「うん。うん?」
「だから、私たちの……」
「あ、いや、聞こえなかったんじゃなくて。
それってイチャイチャ幼馴染と何が違うの?」
紗奈が驚いたように目を丸くする。
「決まっているじゃない!
もきゅもきゅを書かないのよ」
ああ、うん、それは大きな変化だね?
「他には?」
「キスについては悩みどころね……。
でも禁止にしてないともきゅもきゅ並にひっきりなしになっちゃうから避けないと……。
あ、イチャイチャは〜どうしようかなぁ」
キスよりもきゅもきゅが多いのは問題かもしれないけれど、とりあえずそこは置いておいて。
「僕らがもきゅもきゅしない?」
ひっきりなしにしてるよね?
なんなら今も思い出したように顔を近付けると、紗奈もなんでもないように受け入れて口を重ねる。
もきゅもきゅ。
ちょっと優しめに。
「してから言うのもなんだけど、口内炎大丈夫?」
「大丈夫よ。
痛みが無いって良いわね」
とりあえず、クセが再発でもするように僕らは話を中断して、また口を重ねる。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
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