1年と175日目「頭がぁー、頭がピンク色になってるー」
「頭がぁー、頭がピンク色になってるー」
紗奈はベッドに転がりながら頭を抱えて、唐突にそう言った。
僕は隣に転がりながら、優しく頭をマッサージしてあげると、紗奈はクルッとこちらを向いて催促する様に口を開けて舌を見せる。
僕は紗奈の望み通り……というか紗奈のピンク色の舌の艶かしさに我慢出来ずに舌を重ねた。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。
なお、今日は一日中ベッドの上でこんな感じである。
うん、正直に言うけど、すでにまあ、その〜なんだ、うん、事後な訳で。
紗奈はスマホを掲げて訴える。
「頭がー、頭の中がピンク色なのよー」
そう言う紗奈のスマホをそっと枕の上の方に安置。
その手首を持ったまま、紗奈の唇を奪う。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。
繰り返すが今日はもうずっとこんな感じだ。
舌を離すと紗奈からもチュッと唇にキスをしてくれた。
やばい、キリがない。
紗奈は僕の胸に嬉しそうに擦り寄ってから、ぶふーと生温い息を僕の胸元に吹きかける。
何をしてるんだ?と尋ねたら、なんとなくらしい。
「……本当はね、今日は2話ぐらい書き溜めようと思ってたのよ。
だけど、何というか考えることが全て、頭の中でラブラブイチャイチャのピンク色一色になっちゃうのよ」
「そうなんだ……」
それが小説にどう影響しているのか分からないけれど、ただひたすらにイチャイチャしてしまった1日だった。
「何というかコメディを書くのはボクサーと一緒って話を前にしたでしょ?
コメディじゃなくても何かを書こうとしても、描くシーンと違う気分の時ってやっぱりある訳よ。
シリアスシーンとか、愛する相手が不在のシーンとか。
今日はどんなシーンでもピンク色に染めたくなる日なのよ、こんなふうに……」
そう言って、紗奈は顔をあげて僕の口に自分の口を重ねる。
僕もその様子の紗奈が可愛くなって求め返す。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。
「……紗奈、今日は無理だと思うよ?」
「……やっぱりそう思う?」
だよねぇ、と紗奈は困ったように笑う。
その顔が可愛くて耳元で可愛い、愛してると告げると、紗奈が足をバタバタさせる。
照れているようだ。
紗奈は諦めたように、大きくため息を吐く。
それから枕の上に置いていたスマホを完全に避ける。
紗奈がスマホを避け終わったのを確認して、紗奈の唇に確かめるようなキスを繰り返す。
空いた片方の手で紗奈は僕にしがみつくように手を回した。
後はもう堕ちていくだけ。
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