1年と173日目「もきゅもきゅしたい」
「もきゅもきゅしたい」
さあ、寝ようかと2人でベッドに入った途端、紗奈は唐突にそう言った。
そこで僕が2つの選択肢に悩む。
1番、狼颯太発動。
2番、悩まず迷わずもきゅもきゅ。
いつもはほぼ間違いなく、この2つのどちらかである。
今日は第3の選択。
とりあえず聞く。
「突然、どうしたの?」
そもそも考えてみれば、もきゅもきゅしたければ紗奈の方から迷わず来るはずだ。
それを僕が拒否したことは無いし、これからも無い。
つまるところ、もきゅもきゅしたければすれば良い。
僕もしたいから、である。
「んー、なんとなく宣言してみようかと。
もきゅもきゅの無い話を書いたばかりだから、なんとなく宣言してからの方が良いかなって」
何がどうなのだろう?
まあ、この間、紗奈がカチカチとスマホで、イチャイチャ幼馴染とは明らかに趣きの違う話を書いていたようだけど。
……まあ、イチャイチャ幼馴染は晒しているだけで、小説としてはどうかと思うけど。
ここまで言われて気付く。
紗奈、今日のこの事も書く気だ!
「……でもまあ、今更か」
散々晒したのだ。
紗奈は寝転がり僕の方を見ながらコクリと頷く。
「うん、今更」
そう言って、僕らはお互いがゆっくりと、もぞもぞと動き近付き自然と口を重ねた。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもっきゅもっきゅ……。
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