1年と154日目「連載物はー!!連載物は何処よー!!」

「連載物はー!! 連載物は何処よー!!」


紗奈がベッドに転がってカチカチとカクヨムを読んでいると思ったら、突如起き上がりウガーと両手を挙げてからそう喚いた。


僕は机の上を片付けて、紗奈の隣にコロンと転がる。

連休明けなので今日は無理をしないことにした。


「連載物って何のこと?」


紗奈は何かを求めるように天井に手を伸ばす。

「日々の無謬むびゅうを慰める心温まるお話のことよ……。

幼馴染物だったらなお良いわ……」


「最近、そういうのあった?」


紗奈はお尻を突き出して、ガクッと僕の枕に頭を沈める。


「なひのよ……。

最近はコレじゃない感のある人気作ばかりなのよぉ〜……」


コレじゃないけど人気作とはこれ如何に?

つまり紗奈独自の趣味に合うかどうかって作品が少ないということか。

でも人気作はいっぱいあるよね。


「時々こういう時期があるのよ。

お気に入りはすぐ読み切っちゃって、その後が続かないのよ……。

私的カクヨムの全体の動きが少ない気がするの……。

連休があったのに……」


シクシクと嘘泣きをするので、ヨシヨシと頭を撫でておいた。


「連休明けだから、今日は無理せず寝たら?」

「心地良い眠りには、心温まる小説が必要なの!」


「心温まるってどんなの?」

「うーんとね、何かこー、現実の大変なことを忘れて、まっいっか!と思わせるような話」


まあ、確かに現実は大変なことがいっぱいだ。

特に連休明けは休みが終わって特に悲しくなるからね。


「なんだか、このまま勢いに乗せて公爵の話を更新してしまおうかしら。

後先考えずに。

えいっ」


紗奈はカクヨムの更新ボタンを押した。

「後先考えずって……」


紗奈は足をバタバタさせる。


「悩むなら進んでしまえ、何事も!

後悔は後でするものよ!!

あっぐっ」


とりあえず紗奈が暴走状態に入ったので、口を重ね黙らせておいた。


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ。

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