1年と149日目「ああぁぁあ! やってしまったぁあ!!」
「ああぁぁあ! やってしまったぁあ!!」
朝、朝食も済ませ、さあ、朝のノルマをこなそうかと椅子に座ったところで、僕の部屋へやって来た紗奈がベッドにバタリと倒れ込み、唐突にそう言った。
僕が尋ねる間もなく紗奈は足をバタバタさせて悶える。
「つい……つい、夜のテンションで書いちゃった!!」
僕は椅子をクルッと回転させながら、半分確信がありながらも尋ねる。
「何を?」
「これよ!」
紗奈は自分のスマホを僕に見せる。
ああ、うん。
「だからあれほど何度も晒し過ぎないように言ったのに」
「ヤッチャッタのついヤッチャッタの!
この指が〜!この指が悪いのよー!」
「そんな思わずスリをしちゃって逮捕された人がするような言い訳みたいな……」
そこでムクリと紗奈は起き上がり。
「まあね、正直、沢山の人が見る訳でもないし、好きに書いちゃえ☆
……とか思っちゃってつい〜、てへっ」
あざとい、実にあざとい!!
だが、それが良い!!
僕は椅子から立ち上がり、紗奈の隣へ。
「あ、あれ?颯太」
とりあえず押し倒して口を重ねておいた。
もきゅもきゅ。
「颯太〜狼ダメー」
「はいはい」
僕は誤魔化しながら、紗奈の頭を撫でて紗奈を起こしてあげる。
紗奈は僕の腰に手を回してお腹に顔を擦り付け、ついでにぶふーと息を吐く。
生暖かいー。
「実際ね、ラブレターもそうだと言うけれど、夜のテンション……特に夜中に書いたものは、一度推敲しないと致命的な黒歴史になることがあるから注意が必要なのです!」
「うん、もう手遅れだよね?」
「颯太ぁぁああ!
それは言うてはならんのよ!
そんな口は封じてやるー!」
勢いよく言いながらも、紗奈は僕の目を見てから確認する様にしてから、ゆっくり唇を重ね……。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
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