1年と53日目「今回のカクヨムコンの作品数、前回の1/2ぐらいなのよね」
「今回のカクヨムコンの作品数、前回の1/2ぐらいなのよね」
紗奈は僕らのベッドでスマホでカクヨムを見ながら、ゴロゴロと転がった。
僕は机の上を片付けて紗奈の隣に座ると、紗奈がスマホの画面を見せてくれて顔が近付いたので、そのまま口を重ねる。
もきゅもきゅもきゅもきゅ。
ぺろっと舌で唇を舐め、もう一度紗奈とチュッと唇を重ねてからスマホを覗き込む。
「ほんとだね」
「やっぱりランキングだと偏るからね。
ランキングと相性が悪い作品の人は応募を見送ったのかもね」
前回はランキングは参考程度だったから、ある意味で均等にチャンスがあると思えたけど、今回はカクヨムコンは新しい試みをしたから仕方がないのかもしれない。
「ランキング=私が読みたい作品という訳じゃないから、今回は読む作品に苦労したわ」
「スコッパーも大変だね」
ランキング上位はほぼテンプレだから、紗奈の趣味には合わない。
「ま、気にしてもしょうがないわね。
作品の良し悪し=ランキング上位って訳じゃないけど、今回のカクヨムが求める作品はそう言うことなんでしょうね」
まあ、そういうことなのだろう。
たしかに気にしても仕方がない。
「結局のところ、ランキングを見て考えて……行き着いたのは、私は自分が読みたいと思う作品を書いているってことなのよね」
「どういうこと?」
「究極的に言えば、私が書くような話が読めるなら、他の人が書いてくれても良いってことよ。
でもこれって誰でもそうなんだろうけど、自分が1番読みたい作品って、結局、自分にしか書けないのよね……」
紗奈はグッタリする。
まあ、自分の1番欲しい作品を自分が書くのだから、それはそうかもしれない。
表現しきれるかどうかは別にして。
「……まあ、そんな独りよがりの作品でも応援してくれる人がいないと力尽きちゃう訳だけど。
人ってままならないわ……」
「それもまた真なりだね」
紗奈は虚な目でスマホでカクヨムを見る。
「イケメンコンテスト書こうと思ったけど、時間ないのよね」
「まあ……、そういう時はどうしようもないね」
「ないのよ。
颯太! 癒し!!」
紗奈は両手を広げ、僕を呼ぶ。
「はいはい」
そうして僕は紗奈の口に口を重ねた。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ。
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