1年と23日目元旦「緩んでると書く気持ちも湧かないのよ」
「緩んでると書く気持ちも湧かないのよ」
正月早々、僕らはベットの上でゴロゴロしている中、紗奈は唐突にそう言った。
「あー、でもまあ、気を抜くときは抜かないとね」
紗奈はポチポチとカクヨムを弄りながら、うーんと唸る。
「やっぱり皆そうなのかなぁ、お気に入りの作品の更新も少ないのよねぇ」
「初詣とかご挨拶廻りとかする人も多いからね。
僕らみたいに昼でもゴロゴロしている人ばかりではないかもね」
「そうかなぁ〜?
そうかも」
人それぞれ、だと思う。
まだ自粛する人もいれば、気を付けつつも出掛ける人もいる。
「福袋とか買いに行かなくて良かった?」
「お母さんとネットでもう買った」
そういう方法もあるね。
自分で見たい人は自分で買いに行くだろうし。
紗奈は半身を起こし、僕を眺める。
「……正直、颯太と引っ付いて居られれば、それが幸せ過ぎて脳みそ溶けそう」
ちゅっと唇を重ねてくる。
そこからちゅっちゅと繰り返し、そのまま舌まで絡めてしまう。
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ。
「……去年も似たような感じだったような」
一度スイッチが入れば止まる事なく、ちゅっちゅと唇を触れ合わせてしまう。
「………危険ね」
「……一応、自覚あるんだ」
ちゅもきゅもきゅという感じに繰り返す。
「そんな訳でちょっと緩んでるから、書けそうにないわね」
ちゅっちゅっもきゅもきゅ。
「……あまり晒しすぎないように」
「……年末の事は書いてないわよ」
いいや、そもそも……。
もきゅもきゅ。
「……ちょっと眠くなってきた」
「……昼夜逆転しないようにね」
「気を付けるわ」
そう言って紗奈は本格的に(?)僕の上に乗って来てグデンと力尽きた。
でもすぐに、もぞもぞと僕の顔に自分の顔を近付け口を重ねてきた。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ……。
そんな新年。
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