(2021/11/5)363日目ぐらい「書くためのスイッチが必要だわ」

「書くためのスイッチが必要だわ」


コロコロと僕らのベッドに転がりながら、スマホでカクヨムを読んでいた紗奈がやっぱり唐突にそう言った。


今日もそれを合図に机の上を片付けて、紗奈の隣に座る。


「なら書くのを休んだら?」

「そうすると夏休みの宿題と同じような気分になるの。

きっとこれをもっともっと焦りと恐怖が揃ったものが締め切りというのね」


紗奈は隣に座るまでジーッと僕を見続けて来た。

こういう時は催促しているのだ。


顔を近付けると、んっと唇を突き出すので触れるようにチュッと。


それだけで離れたので、更に紗奈は綺麗な舌を出して催促してくる。


僕も舌を出して優しく触れ合うようにしてから絡ませていく。


もきゅもきゅ。

もきゅもきゅもきゅもきゅ。

もきゅもきゅ……。


口を離すと今度は満足したらしく、紗奈は足をバタバタさせる。


「それでね、一旦書かなくなるとなんか書けなくなるから、どこかでスイッチを入れるみたいに書いておかないといけないの。


こう、アレね、勉強のスイッチを入れるには実は勉強をすることが1番スイッチになりやすいってのと同じね!


ダラダラしてても、スイッチは永遠に入らないわ」


そう言って、また顔をこちらに向けてくるので隙を逃さず素早く口を合わす。


「あんぐっ」

紗奈を押し倒すようにしながら。


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……。


うん、僕のスイッチが入りかけだ。


息継ぎに口を離すと、ふーと2人同時に息を吐く。

止まらなくなりそうなので、軽く紗奈の口元を指で拭いて、その口の横にキスだけ落とす。

我慢我慢。


紗奈はその僕の様子に嬉しそうに笑う。


「それとカクヨムコン始まったでしょ?

反応減るかなぁと思ってたけど、公爵様の話はそうでもないかも?

よく分からないけど」


チュッチュと軽くキスし合いながら、僕も答える。


「新作が凄い勢いで出て来てるね。

トップページがそれで埋まってるし。

なんというか星3000以上の天上界作品もいっぱいだね」


紗奈も僕の首の後ろに腕を回し縋り付くようにしながら、むぐむぐと唇を奪うように重ねてくる。


「改めて目を向けてみると星2000以上作品っていっぱいあるのよねぇー。

だから何という訳ではないはずだけど、星がとても気になる……、それが人のサガね」


唇を重ねながら、時々、舌も。


ピタッと紗奈が動きを止め、僕の目をのぞきこむようにして尋ねる。


「ねえ? 颯太?

これもしかしてスイッチ押しちゃってる?」


「うん手遅れなぐらいスイッチ押してるね……」


「手遅れならいいや!

颯太……」

紗奈が誘いの言葉を口にする。


僕にそれを押す理由はあっても断る理由はない。


再度、僕はそのまま上から紗奈を抱き締めながら口を奪う。

もきゅもきゅもきゅもきゅ……。

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