349日目「……これが嵐の前の静けさというのかしら?」
「……これが嵐の前の静けさというのかしら?」
僕らのベッドの上で僕に引っ付きながら、スマホでカクヨムを見ていた紗奈が唐突にそう言った。
「……紗奈は最近連続で公開してるね?」
イチャイチャ幼馴染って完結したんじゃなかったの?
なんで昨日のやり取りも公開してるの?
「……ふっふっふ、気づいたわね?
そう! 全てはそこに繋がるのよ!」
「いつの間にか伏線が張られていたんだね」
よいしょっと、言いながら紗奈は僕の上に登り顔を近づけて来る。
それを僕はおいでおいでと引き上げ、口を重ねる。
もきゅもきゅもきゅ。
口が離れると、名残り惜しいようにお互いがキスだけ数度繰り返す。
もうちょっと。
もきゅもきゅもきゅもきゅ。
うん、キリがない。
紗奈のほっぺにキスを落とし、おしまいの合図をすると。
紗奈はコテンと隣に転がる。
「イチャイチャ作品がないって言ったでしょ?
それだけじゃなくて、お気に入りにしている作品も止まってたりするのよねぇ〜。
おそらく来るべき決戦、カクヨムコンに備えてるのよ!
多分、もしかしたら!」
「あ〜、カクヨムコンかぁ。
完全に一次が読者選考なんだよね?
そりゃまあ、カクヨムコン狙いの作品はタイミングを計って公開するよね〜」
「戦略ね!
……でも、重度のヨム派の私は作品が無くて飢えてるの。
おかげで長編を更新するエネルギーが不足してて……」
僕らのやり取りをそのままイチャイチャ幼馴染は、気力関係なく書けるからとか。
イチャイチャ幼馴染を書くと、ストレス発散と小説を書く練習になるとか。
「つまりモチベーションが上がらないと」
あるある、そういう時。
でもね?
「もうじき模試の試験だけど、勉強は?」
書いている時間も読んでいる時間もないよね?
「ギクッ!?
……人はテスト前になると掃除がしたくなる。
これはもう仕方ないことなの。
私は颯太とイチャイチャしてイチャイチャしてイチャイチャし続けたいの。
分かる!?」
ギクッてワザと言わないと言うことないよね?
……あとまあ、僕もイチャイチャはしたい。
「う〜ん、まあ僕も気持ちはよく分かる。
だからどうしようもない時は割り切って休憩した方が後に繋がるね。
よいしょっと」
「ふ、颯太?
なんで私の手首を頭の上で押さえてるのかしら?
そ、そんなことしなくても抵抗しないけど?
何かドキドキするんだけど、ングッ」
もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ……
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