348日目その2「なんというか、イチャイチャしてる日常系が読みたいだけなんだけど」
「なんというか、イチャイチャしてる日常系が読みたいだけなんだけど」
紗奈は僕の隣でベッドの上をゴロゴロしながら、唐突にそう言った。
「うーん、日常系は異世界チート系でないと安定して人気が出づらいからね。
皆途中で書くのを辞めちゃうからねぇ」
「異世界チート系はもう受け付けない身体になってしまったのよ。
だってあの話って幼馴染は出て来ないもの。
出て来てもザマァとか追放とか寝取りとか、反日常要素が入って来るから無理ね」
「紗奈にとって幼馴染は重要な要素だものね」
「そうよ!
でも現代純愛系で良い作品が読めるなら、恋愛対象が幼馴染でなくても良いわ、ハーレムさえなければ。
あれは純愛じゃ無いわ。
純愛日常系は何処?」
僕と紗奈はベッドに転がりながら、それぞれスマホでネット小説を検索する。
なお、紗奈の足は僕の足に何故か絡んでいる。
「ないねぇ〜……。
あっても読み終わったか、更新が無いね」
「無いのよ。
前から疑問があるの。
ライトノベルはもっと自由で良いはずよ?
何で人気が偏ったままなのかしら?」
僕はスマホをカチカチ。
そしてスマホを置き、紗奈の顔を見る。
「変化はして行っているね。
今は追放系が随分減ったらしいよ。
でも、そうだね。
それはまた違う流行に変化しているだけで、作品の幅が広がっている訳ではないよね。
独自の作品を書いても、応援がなかったり忙しくなったりと、やっぱりどこかで疲れてしまうからだろうね」
「……そうね。
うん、そうね。
無理をしても良い作品は生まれないからね」
紗奈は足だけではなく、腕も僕の身体に回してさらに密着する。
「前から思ってたけど、読むだけで勉強が捗る作品ってないかしら?
アイデアは考えたけど書く暇が無いわ」
そう言いながら、紗奈が僕の唇にキスをちゅっちゅとしてくる。
それを捕まえるように、僕の舌が紗奈の口の中に入り込む。
もきゅもきゅ。
「どうだろうね、よほど上手に宣伝しないと目立たないだろうから、そういう作品が出てくる時を待つべきじゃないかな」
そう言いながら、口を重ね続ける。
もきゅもきゅ。
そうね、と紗奈がもきゅもきゅしながら言おうとして……。
ふと口を離す。
「ねえ? 颯太。
私たちずっともきゅもきゅしてるけど、イチャイチャ幼馴染に書くときは、これでもかなりオブラートに包んだ表現にしてたの。
そろそろもっと吹っ切れても良いかしら?
一応完結してるし」
もっきゅもっきゅ。
「やめなさい」
「えー?」
もきゅもきゅ。
もっきゅもっきゅちゅっ。
「んっ、ムー、仕方ないなぁ〜。
でもね、颯太。んむっ」
もきゅもきゅ
「覚えていなさい。
いずれ、んっ、第2第3のイチャイチャ作品が、出て来て更なるイチャイチャを、ング」
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅちゅっ。
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