320日目ぐらい「ああー!もう我慢出来ない!」

「ああー!もう我慢出来ない!」


紗奈が何故か突然、僕らのベッドの上で僕の枕に顔をを埋めたまま、痺れを切らしてそう言った。


もうそろそろ構えってことかな、と僕は机の上を片付けて、紗奈の隣に座ると待ってましたとばかりに僕にしがみ付きよじ登って来た。


ちなみにこのちょっと前までは紗奈も僕の隣で一緒に勉強していたから、その時に。

1時間勉強しては、もきゅもきゅ。

2時間勉強したら、もっきゅもっきゅ。


そのため、今は口は狙いに来ない。

その代わり押し倒すように僕の身体によじ登ってくる。


ちなみに温かくて柔らかいので、僕はドギマギしつつも紗奈を優しく抱きしめながら頭を撫でる。


しばらくすると、落ち着くベストポジションを見つけたのか、僕に抱き付く形で大人しくなった。


「それで何が我慢出来ないんだい?」

優しく紗奈の髪を撫でながら、僕は尋ねる。


紗奈はいつものようにカクヨムを開き僕に見せる。

最近は自分が直近で見た、『最近読んだ小説』をチェックするのが、紗奈的流行りのようだ。


「更新が、ないの!」

「うん、それは仕方ないと思うよ?

皆忙しいし、1話書くのだって結構大変だって紗奈も言ってたじゃないか。」


「それは分かる!分かってるのー!

分かってるんだけどー。」

僕にしがみ付いて手だけバタバタ。


身体が密着している状態なので、僕は正直落ち着かない。


このなんというか温かくて柔らかくて、紗奈がここに居てくれていることが幸せで胸が温かい感じがあるけれど、同時にまあ、そのね?僕も男の子な訳で。


そうしていると、紗奈はだら〜んと手を下げて完全に僕に体重を預ける。


「何というの?

この寝る前に幸せな気分を味わって眠りたいの。

だから日々連載の胸がぽかぽかするような話が読みたいの。」


「ああ、それで紗奈はエッセイ読むことが多いんだね?

結構、良い話が多いから。」


「そうよ?よっぽどじゃないと寝取りザマァなんてないもの。

寝る前にそういう人の暗さみたいなの見ちゃうと何というか、何というか、、、。」


ふむふむ。


「、、、ああ、今更だけど、だからイチャイチャ幼馴染を毎日公開してたんだね?」


「そうよ。

寝る前に幸せな気分で読む話にしたかったの。

だけど、何故かもきゅもきゅになるの。」


「そりゃあ、僕らが紗奈が書いているイチャイチャ幼馴染の比じゃないぐらいもきゅもきゅを、、、。」

「颯太!危ない!」


紗奈がそう言って、かぶりつくように唇を重ねて来て、そのままもきゅもきゅが始まってしまった。


多分、口封じをしたかったんだと思う。


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ、もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ、もきゅもきゅもきゅもきゅ。

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