300日目ぐらい「何でよー!何でラブラブ純愛ものがないの!?」

「何でよー!何でラブラブ純愛ものがないの!?」


さっきまで一緒に勉強していた紗奈が、コロンと僕らのベッドに転がって、カクヨムを読んでいると唐突にそう言った。


ちなみに。

1時間勉強しては、もきゅもきゅ。

2時間勉強したら、もっきゅもっきゅ。


はい、通常運転。


もちろん外から帰ったら、手洗いうがい消毒はキッチリ、基本を守ってしっかり自衛。


寒くなると風邪も引きやすくなるので、さらに注意!


それはともかくとして。

僕もそろそろ今日は終わろうと机の上を片付けながら。


「お気に入りのラブラブ純愛物見つからない?」

「見つからないのー、また寝取りざまぁにヒットしちゃったー!」

紗奈がベッドの隣をバフバフさせながら、転がったり起き上がったりしている。


「ほんと嫌いな筈なのに、なんで見るかなぁ?」

「注目の作品に出て来るんだもん!

なんでか人気なのよー!

私が考えるところによると、破滅思想の一種じゃない?

ほら、昔の純文学にもそういうのあったでしょ?」


「破滅思想ね〜、まあ人生ぐちゃぐちゃになってハッピーエンドに見えて、よくよく考えれば誰も救われない話は多いね。」


紗奈の隣にいつも通り座ると、紗奈はしがみ付いてきた。


「そうでしょ?

でもね、疲れるのよ、それ。

何というと疲れた心を癒す優しいラブラブハッピーが見たい!!」

はいはいと軽くキスを落とす。


「んっ。」

そういう時は紗奈は大人しく受け入れる。


、、、ちなみにそれがあまりに可愛く、そのままもきゅもきゅにいってしまうのは、僕の悪い癖だ。


もきゅもきゅ。


ぷぅ〜と2人で口を離す。

「一時期は純愛物が増えてたの。

でもね、また久しぶりにランキングを見ると、見てよこれ!

寝取り!エッチ!ざまぁ!ハーレム!浮気!裏切り!この世は地獄の所業か!」


「エッチなのとハーレムは別に地獄の所業ではないと思うけど、ザマァも?」


紗奈はヨヨヨと崩れる。


「愛は、愛はどこにあるの?

愛が溢れる話が読みたい、、、。

おかしいの、愛が壊れるのと同時に愛が生まれてる筈なのに、どうして愛よりも破局が人気なの!?

教えて偉い人!」

「何でだろうねぇ〜。」


僕にも本当に分からない。

転生ハーレムチートは一応の意味付けは出て来た。

要するに皆、疲れているから流行ったらしい。


「そういえば、昔、デスゲーム的なクラスメイト殺し合い系も流行ったよね?

面白さがカケラも分からなかったけど。


アレについては、日々疲れている人はさらに疲れるから読まないと思うけど、寝取り浮気ざまぁも同じ理由かなぁ?」


「ただ単にエッチっぽいからじゃないか?」


それも、、、あるだろうな、というか思い付きだったけど、それが1番大きい気がしてきた。


「星がつきやすいから、そういう話が検索しやすいのが問題よねぇ、、、。

純愛タグ付いててもコレじゃない感があるものも多いし。」

「まあ、こればっかりは大海で宝島を探すようなものかもね。」


紗奈は不満顔をして両手を僕の突き出す。

抱き締めろということらしい。

「、、、颯太癒して。」

「はいはい。」


僕は紗奈を優しく抱き締める。

あいも変わらず、紗奈が柔らかくて温かくドギマギしてしまう。


そうして僕は今日も、、、今回も紗奈と口を重ねる。


もきゅもきゅもきゅもきゅ。

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