230日目「何と言うか、折れそうな感じ?」

「何と言うか、折れそうな感じ?」


颯太に足を絡ませながらゴロゴロとしつつ、いつものようにカ◯ヨ◯でネット小説を読んで、、、居なかった私は、颯太にしがみ付きながら唐突にそう言った。


「何が折れそうなんだ?」

颯太はいつも通りな感じで私の頭を撫でながら、優しくそう尋ねる。


何?この事後感?

いえいえ、事後ではございません。

いつもど〜り〜の私たちの風景でございます。


とにかくイモムシのようにスマホを手に持ったまま、ヨイショと身体だけで颯太の上に乗っていき、のベ〜と身体を伸ばす。


あ、颯太が落ち着きがなくなってきた。

多分、いつものように顔近付けると、もきゅもきゅされるなぁ、と思いつつ様子を伺うように颯太の顔を見る。


後頭部を軽く押さえられる。

逃げようと思えば逃げられる程度の力だけど、逆によじ登るように颯太の顔に近付く。

あ、落ち着かない様子で颯太が身をよじる。


「紗奈?そういう風に登ってこられると、、、何というか、色々柔らかくてスイッチが入ってしまうというか。」


なんと、噂の危険なスイッチ。

専門用語で言うなら、ノ〇〇ーンスイッチって、何言わすのよ。


、、、はい、勝手に言ってます。


それはそれとして、颯太の口に自分の口を重ねます。

あむっ。


もきゅもきゅもきゅもきゅ。


「ぷ〜、、、五臓六腑に染み渡るというかぁ。」

「僕はビールか何か?」

「颯太が酔わせるという意味ではそうね。」

「誰が上手いこと言えと、、、。

まあ、いいや。」


良いらしいので、もう一度口を重ねる。

もきゅもきゅもきゅもきゅ。


口元を颯太の服で拭くと、頭を優しく撫でてくる。

口元を颯太の服で拭いても、怒らないようだ。


世の中のカップルの中にはそういうことですら、喧嘩になってしまう人はいるのかもしれないけど。


「それで?何が折れそう?」

「んー、もう良くなった。」

小説書いてて、なんとなく心が折れそうになってたけど復活した。

きっと私は颯太エネルギーが枯渇していたのだろう。


「そうか。」

また優しく頭を撫でてくる。

「颯太、髪触るの好きよね?」

「あー、うん。男とは全く違う感触で、すべすべするというか、とにかく気持ちよくて、、、。

ダメ?」

「まあ、いいけど。」

撫でられている側はよく分からない。


私はまた颯太に顔を近付ける。

「じゃあ、お触り代のもきゅもきゅ頂戴。」

口で催促。


「それ、僕が貰ってるだけじゃ、、、。

あー、まあ、紗奈が良いなら。」

良いに決まってる。


私は颯太からもきゅもきゅを徴収しつつ、もきゅもきゅを提供するのだ。


そうして、あぐっと唇を唇で挟みながら、ひとしきり擦らせた後、口を重ねる。


もっきゅもっきゅもっきゅもっきゅ、、、。


今日も変わらぬ日でありまして。

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