227日目「なーっとくーいかないわー!!!」

「なーっとくーいかないわー!!!」


紗奈はそう叫ぶと僕らのベッドで枕を抱えて転がり出した。


「颯太!颯太!納得いかないの!」


今日は呼ぶの早いなぁと思いつつ、机の上を片付けて紗奈の隣に座る。

紗奈はガシッと僕にしがみ付きながら僕を押し倒す。

「ちょっ、紗奈!?」

「とにかく颯太成分を吸収させて!」

「むぐっつ!?」

上から襲い掛かるように唇を重ねてきた。


もぐもぐもきゅもきゅもきゅもっきゅもっきゅもきゅもきゅもぐもぐもきゅもきゅ、、、。


「ぷはぁ〜、落ち込んだ時は颯太ともきゅもきゅが1番ね。」

ワイルドに口元を腕で拭きながら、紗奈はご機嫌になった。

落ち込んでたというよりも、怒ってたが正しい気がするけど。


僕は吸われてしまい、グッタリ。

紗奈は不思議そうに首を傾げている。


ふぅと一息ついて、指でちょいちょいと紗奈を呼ぶ。

紗奈は特に躊躇うでもなく顔を寄せる。


その紗奈の唇を奪うように重ねる。

もきゅっとだけして後は唇の感触を確かめるようについばんで。

当然、最後は。

もきゅもきゅ。


「ふぅ、それで?何が納得いかないんだ?」

紗奈は添い寝するように僕の隣で転がり、僕をじっと見ながら。


「、、、よく考えれば、幼馴染物でここまでしてればラブコメ的には終わりだったよね。」


今更も今更だ。

僕らはラブコメ風の好きかどうかなんてとっくに終わっている。

流石に付き合うかどうかでここまでしてれば、それはそれで突き抜け過ぎている。


「、、、そりゃそうだよ。」

「だったら、不満に思う程でもない、のかな?」

「何が?」

「これよ!」


スマホでカ◯ヨ◯を見せる。


「あ〜、、、結局、幼馴染ざまぁ系って好きな人は好きなんだね。」

「それだけじゃないの!これも見て!」

別の作品を見せてくる。


「あ、ついに幼馴染イチャラブ系が、、、あれ?」

「そう、あれ?なのよ。」

「なんで幼馴染イチャラブ系と書いて、ハーレムの気配がしてるんだ?

まだこれからだから、軌道修正するかもしれないけど。」


はふ〜と紗奈は枕に顔を押し付ける。

ちなみに僕の枕だ。


「、、、もう一つは、う〜ん、、、うん?人気なんだね、相変わらずこういうの。

ざまぁ系?」


「そうなのよねぇ、、、主人公の内面がまだ少し曖昧だから魅力的には見えないのが気になるけど、幼馴染が自らの意思で幸せを捨てて、、、。

これって男からは分からない世界ね。


なんでもかんでも分かってよ!

、、、とは言わないけれど、別れる理由の本当のところぐらいは付き合っている相手なら、せめて話し合って欲しかったわね。

その意味で私はこの主人公が視野が狭いように感じちゃうの。

ま、あくまでただの主観よ。

それにテーマも内容も幼馴染との恋愛でもないから、そこは気にするべきではないのかもね。」


「まあ、話し合って納得したら、物語が進まなくなちゃうからね、、、。」

「それもそうね。」


僕はカ◯ヨ◯を触り、いくつか作品を見る。

「最近は、またイチャラブ系が減った気がするね。」

「そうなのよ〜。

ほら、これなんか幼馴染と一つ屋根の下の兄妹のイチャイチャって銘打ってるから期待したんだけど、、、。」


「う〜ん、、、まあ、まだなんとも言えないかなぁ。

改めて見ると恋愛観は人それぞれだね。

でもこうして見ると、昔ながらの幼馴染ざまぁやハーレムは、チート転生ハーレム並に人気のままなんだね?」


「それでも最近、気付いたけどファンタジーはまだチート転生が根強いけど、恋愛物のざまぁ、ハーレム系はある一定の壁を超えないのよね。

超えるのはなんだかんだで純愛系。」


「、、、ほんとだね。

まあ、どこを壁と見るかによるけど。

星500以上でざまぁやハーレム系も多いし。」


「それでも世間は純愛系を求めているのよ、、、。

もうダメ、私はここまでよ。

颯太、もきゅもきゅさせて。」


「今のどういう脈絡で、むぐっ。」


もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ、、、。

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