226日目「星が凄く多い人の作品でレビューを見ていると時々、星が低いのあるよね?」

「星が凄く多い人の作品でレビューを見ていると時々、星が低いのあるよね?」


僕らのベッドでうつ伏せで足をバタバタさせながらスマホでネット小説を読んでいた紗奈は唐突にそう言った。


僕は椅子をくるりと回転させる。


「その話まだ続いてたんだ?」

「もちろんよ。昨日はもきゅもきゅに阻まれたから、今日に延期よ!」

「そうだね、情勢が悪いなら引くも勇気だね。」


僕は呼ばれる前に机の上を片付けて、紗奈の隣に座る。

紗奈の隣に座ると、紗奈はガシッと僕の腰にしがみ付く。

紗奈が近付いて来たので、唇を重ねる。

もにもに。


リップ音がしないような感じで静かに唇を離す。


紗奈はぺろりと自分の唇を舐めながら。

「これも悪くないわね。」


とりあえず紗奈の頭を撫でておいた。

「それでどういうこと?」

僕が尋ねると、紗奈はスマホでカ◯ヨ◯を見せてきた。


「時々、レビューで面白そうな作品を探すのだけど、星1つのレビューばかりなのに、星が何千という天上界入りしている作品が幾つかあるのよね。

なんでだろ?と思って。」


「フォロワーが極端に多いから、星1でも沢山の人が付ければ数は上がるよね。

あと例のオレオ効果かなぁ。

レビューってどうしてもある程度話数がないと書きづらいところがあるから、後になって思ったのと違ったってなってるのかもね。

それにそういうパターンの作品って、あくまで僕の印象だけどテンプレチートハーレム物に多い気がする。

それはつまり、そういうことなんだろうなって。」


「そうね、ほら、例のテンプレ検証の『勇者に幼馴染を奪われた。』でもそうなのよ。

実は9話で、あれ?テンプレってもう無くない?と思っちゃったのよね〜。」


「なるほど、改めて考えてみるとテンプレって出だしばかりなんだな。

好みによるのだろうけど、僕はテンプレ後の話ってよっぽど工夫しないと面白くはならない気がする。

ほら、よくある最強になったら目標がなくなるってやつ?」


「音楽でもよく聞いた話ね。

頂点に至ったら、そこには何も無かったって。

そういうことね!」

「そういうことかもね。

そういう意味でテンプレとカ◯ヨ◯が相性良すぎたせいもあるのかもね。

序盤が勝負というか。

他は他で色々あるだろうけどね。」


「う〜ん、チートハーレム自体を私が好きじゃないからねぇ〜、、、。

コンテストで書籍化されるほどのものでも読まないから。

、、、飽きちゃったし。」


「それはまあ、、、仕方ないんじゃないかな?

そうやって新しいものを求めた誰かによって新しいものが生まれるわけだし。」

「綺麗にまとめたわね、颯太。

でもテンプレだとしても、もきゅもきゅは譲れないわよ!」


それはまあ、僕の方こそ、だな。


ジッとこちらを見る紗奈の口に僕の口を重ねた。


もきゅもきゅもきゅもきゅ。

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