174日目「そういえば朝、幼馴染が起しにくるのやったことないね?」
「そういえば朝、幼馴染が起しにくるのやったことないね?」
リビングのソファーでコロンと僕の太ももを枕にしながら、スマホでネット小説を読んでいた紗奈が唐突にそう言った。
「そういえばないね。」
少し前までは、部屋で2人でこういう話をしていたけれど、話している間も引っ切りなしに口付けというかもきゅもきゅをしてしまうので、休憩時は出来るだけリビングに居ることにしたのだ。
寝る時には、同じ部屋に帰るので一緒かもしれないけれど、、、。
高校1年の間は、紗奈がスマホを読んでいる間も勉強をしていたが、そういう事情もあって、今は時間を変更して学校から帰ってから集中して勉強して、気になる部分は朝少し早く起きてするようにしている。
もっとも、朝はそこまで強くないので30分ぐらいだけど。
紗奈曰く、寝る前と起きた直後に暗記物をするとすぐ覚えられるということで試している。
、、、イチャイチャするためだけに時間を効率的に使うことを考えるあたり、良かったのかどうか。
紗奈曰く、これがイチャイチャ効果なのね!と。
「明日、朝試してみましょう。」
「明日は学校休みだけど?」
「何事も検証が大事よ?試さずに大失敗したら大変じゃない。」
朝起こすことに大失敗するとはこれ如何に。
それにラブコメでは失敗することもまた成功ではなかろうか。
「じゃ!早速、寝よ寝よ!」
紗奈は飛び起きて、部屋まで僕を手で引っ張る。
手を引っ張られつつ階段を登りきる。
部屋の前で引っ張られていた手で、紗奈をクルンと回転させて俺の方を向かせる。
「あれ?」
紗奈のキョトンとした声。
そのまま口を塞ぐ。
もきゅもきゅ。
そのままお部屋に入る。
、、、そして、翌朝。
隣で紗奈がもぞもぞと起き出した気配でぼ、僕も目が覚めるが、すぐ2度寝が出来そうな夢見心地。
ちろりと時計を見ると、朝5時、、、。
紗奈はもぞもぞと俺の上に乗ってくる。
温かい布団と紗奈の危険な相乗効果!
そうか、これが二乗の、、、いや、加速度m/s2の効果。
そこに重力と摩擦係数による本来は抵抗を生み出すはずが、更なる相乗効果を生み出し、、、。
「
どちらかというと上からしがみ付くような感じで紗奈は乗っているが、イメージ的には幼馴染が朝起こすために、何故か上に乗るというシチュエーションを再現しているはずだ。
眠くて目は開けていないからよく分からないけれど。
寝る前にそう言ってた。
だが、僕の眠りの意思は固い。
後5分とは言わない。
何分と言わず寝たい、まだ寝たいとです。
おおよその感覚だけで、紗奈の位置を特定してガシッと紗奈の後頭部を逃げられないように押さえる。
「あれ?」
そのまま口を重ねる。
もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。
「あ〜さ〜か〜ら〜、もきゅもきゅされた〜。」
くにゃっとそのまま、僕の上に力尽きる紗奈。
これ幸いと紗奈を抱き締めたまま、心地良い2度目の夢の世界に僕は旅立つのであった。
「は〜な〜し〜て〜。」
幼馴染が朝、上に乗るのは色々と危険です。
使用上の注意をよく理解してお試し下さい。
むにゃむにゃ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます