もきゅもきゅを加減しようとして失敗した2人

173日目「颯太《ふうた》。私、もきゅもきゅしたいわ。」

颯太ふうた。私、もきゅもきゅしたいわ。」


リビングで幼馴染にして義理の妹の紗奈さなとソファーに隣り合って座り、ゲームをしていると紗奈は唐突にそう言った。


なお、もきゅもきゅとは要するにディー◯◯◯だ。

それだけではなく、追い討ちを掛けるように紗奈はさらにこう言った。


「ゲーム勝負して負けた方が勝った方に、もきゅもきゅされることにしましょう。」

「え?」





僕、牧田颯太まきたふうた牧田紗奈まきたさなは幼馴染である。

去年、僕たちが高校1年の秋に僕の父親と紗奈の母親が再婚し、僕たちは義理の兄妹となった。


それと同時に、紗奈は倉科くらしなから牧田へと名字が変更となった。


紗奈は身内による欲目でも何でもなく美少女だ。

背中まである黒く長い髪。細い足。全体的なスタイルも良い。


顔も整っており、綺麗より可愛い感じで、大きく澄んだ瞳も吸い込まれそうになる。


イタズラっ子のようにニシシと笑うこともあり、その顔は僕も好きな顔だった。


紗奈は同居を始めた初日から夜に僕の部屋に来ては、スマホでネット小説を読んでその話をする。

その間、僕は勉強をしながら、話を聞いている。


当初こそ紗奈が夜に部屋に遊びに来るといった感じだったが、今では僕の部屋に枕を持ち込んで寝泊まりしている。


同居を始め1ヶ月が経つ頃には、互いの気持ちも確かめ合い、要するにそういう関係だ。

、、、すでに記入済みの婚姻届も紗奈がどこかに保管していたりする。


最近では、イチャイチャが止まらなくなり、部屋では絶え間なくイチャイチャしてしまうようになってしまったので、極力遊ぶ際はリビングに居る。


、、、それでも寝る時には同じ部屋に帰る訳だから大差ないのかもしれないけれど。


「あっ。」

そんなことを考えていると、紗奈にあっさりとゲームで負けてしまった。


「やったぁ!」

紗奈は両手を上げ喜ぶ。

僕はため息を吐く。


「じゃあ、颯太、もきゅもきゅの刑ね!」

分かると思うが、要するにどちらが勝ってももきゅもきゅが行われるという恐ろしい事実。


ちなみに僕たちは、極力、人前ではイチャイチャしないように気を付けている。

人に見せるようなものではないし、何より、、、。


「止まらなくならないように気をつけないとね、、、。」


そう言って紗奈は僕の唇に自分の唇を重ねてくる。

リビングには両親の姿は見えないが、すぐにリビングに戻ってくるかもしれない。

見つかれば、また今日も赤飯が炊かれてしまうことだろう。


もきゅもきゅ。


「へへへ〜。」

口を離すと紗奈は赤い顔して嬉しそうに笑う。

それを僕は目を細め微笑み彼女の頭を撫でる。


、、、まあ、僕たちのこんな日常の話だ。

なお、この557日後に僕たち2人は結婚する。

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