167日目ex「今日は敢えて言わせてもらうわ!」

もきゅもきゅもきゅもきゅもちゅっ。


互いの口が離れる時、図らずもリップ音がしてしまったことで、2人同時に正気に戻ってしまう。

紗奈は恥ずかしいのか下を向きながら、口元を僕の服で拭う。

コラッ。


それからキッと僕を睨む。

本気で睨んでるわけではなくポーズなので、可愛く思う。

「颯太。私最近思ってたの。今日は敢えて言わせてもらうわ!」

何をかな?

そう思いながら、上から僕を見下ろす紗奈の頭を優しく撫でる。


「最近、また幼馴染が辛い目に遭う小説が増えてきたわ!

どうしてよ!ラブでコメなあったかくてぽかぽかして、ちょっとイチャイチャする話でいいじゃん!

幼馴染はラブラブ装置でいいじゃない!どうしてザマァするの!?そんなの辛いだけじゃん!

うわ〜ん!」

紗奈はわざとらしく僕の胸に泣きついた。


「ヨシヨシ。」

紗奈の頭を撫でる。

なんとなく言いたかったんだね。


「幼馴染がハッピーで幸せになれるものが読みたい、、、。」

「それが本音なんだね。まあ、いつか誰かが書いてくれるよ。

幼馴染がイチャイチャして幸せな気分になる話。」


紗奈はムクっと顔を上げ、何故か僕の胸ぐらを掴む。

なんとなく分かる。

これ逃げられないように捕まえてるつもりなんだと思う。

逃げないし、なんなら捕まえるけど。


「、、、それまで晒して頑張るわ。」

「、、、お手柔らかに。」

もきゅもきゅは激しすぎなんだから、気をつけてね?

、、、聞いてなさそう。


紗奈はわざわざ口を開けて見せて、目を細めてゆっくりと僕の口に自分の口を重ねてくる。


ゆっくりと味わうように。

もっきゅもっきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ。

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