136日目「ふ、颯太。どうしたの?」
「ふ、颯太。どうしたの?」
僕のベッドで僕の枕を抱え、足をバタバタさせながらうつ伏せでスマホでネット小説を見ていた紗奈の横に寝転がり、僕は紗奈にしがみ付くと紗奈は動揺しながらそう言った。
「、、、うん。紗奈はあったかくて柔らかいね。」
目を閉じて紗奈の背中に頭を置く。
「ふへ?えっ?
颯太がこんな感じで甘えるのって珍しいね?
前に疲れてた時以来かな。」
よいしょ、よいしょとこちらに身体の向きを変え、抱え込むようにヨシヨシしてくれる。
、、、前から抱き締められると、とてもドキドキすると共に、同時に安らぎも感じる。
その紗奈の背中に手を回し、ぎゅっと離さないように。
その僕の様子に紗奈は笑う。
「ほんと、どうしちゃったの、颯太ぁ〜。
甘えん坊さんだ。」
嬉しそうにヨシヨシを続けてくれる。
うん、そうやって密着されると、興奮してきてしまうんだけど、あえて口にはしない。
限界が来たら、頂いてしまおうと僕は思う。
「、、、僕らが遠距離になってたら、どうなってたんだろうと思って。」
「寂しくなっちゃった?」
ちょっと躊躇いつつ、小さく頷く。
「ふふふ、嬉し。
ここに居るよー、何処にも行かないよー。
ずっと颯太のそばに居るよ〜。」
「中3の時、引っ越しされなくて良かったよ。」
紗奈は僕をヨシヨシとしつつ、うーんと考える。
「んー、ちょっと小説にしてみようかと思って考えたのよ。
遠距離恋愛の短編。
それで考えてみたんだけど、、、。」
「考えてどうだった?」
紗奈はついっと目を逸らす。
「病んだわ。」
「えっ?」
「、、、私たちのシチュエーションで、遠距離になって数ヶ月もしない内に、私は病んで誰とも一言も話さないし、髪も伸ばしっぱなしで、笑うこともないし、生きてるか死んでるか分からない状態になることしか浮かばなかった、、、。」
「うわぁ、、、。」
僕はそれしか言えなかった。
「実際にそうなると思う、、、。」
「うわぁ、、、。」
やっぱりそれしか言えなかった。
「颯太!もきゅもきゅしよう!」
「え!?突然、モガっ。」
もきゅもきゅもきゅもきゅ、、、。
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