130日目「はぅふ、悪役令嬢物はやっぱり良いわねぇ〜。」
「はぅふ、悪役令嬢物はやっぱり良いわねぇ〜。」
僕のベッドで僕の枕を抱え、足をバタバタさせながらうつ伏せでスマホでネット小説を見ていた紗奈は唐突にそう言った。
「今度はどんな小説?」
今日はノルマも終わり紗奈の横に転がり尋ねた。
「これよ!」
紗奈がスマホを見せてくるので、一緒に見ることにした。
「こう言った悪役令嬢物はほとんどのヒロイン、あ、悪役令嬢のことよ、がとても良い子なのよね。
それが努力して、周りに助けられて幸せを掴むの。
それがまた良いのよねぇ。
私としては元々のヒーローが、ヒロイン、奪う方ね、に騙されず一途に悪役令嬢を助けてくれる話が好きだわ。」
「そこだけ聞くと、ヒロインと悪役令ヒロインとヒーローとかよく分からなくなってくる。」
「なんでよ!つまり元々のヒロインは大体、悪い奴が多いの!
たまに本当に良い子だったりするけど。」
「ヒロインが悪い奴な時点で色々破綻してるよね?
それと最近はこんな感じのゲームシナリオってほとんどないみたいだね。
かなり初期の乙女ゲームだけこんな感じのがあったと聞いたよ?
まあ、こういうツッコミどころが多いところを『お前それおかしいだろ!?』とツッコむテンプレ的なのも面白くていいけどね。」
「そうなのよ〜。
何が良いって、悪役令嬢ヒロインって基本一途なのよね。
それが何より良いの。
愛の戦場において、脇目を向くヤツは敗北あるのみよ。
当然、一途なヒロインを落とすためには、脇目を向いて違う女のケツを追いかけるようなヒーローなんてただのクズ一択よ!
場外行きよ!」
熱くなってきた紗奈の頭を優しく撫でる。
そうかそうか、クールダウンしなさい。
「でも最近はテンプレも少し減った印象があるわ。
それが少し残念。」
「まあ、趣味が合うテンプレ物が変化していくのは、少し寂しいものがあるね。
異世界転生最強ハーレム物も好きな人は好きだからね。」
紗奈はぐてーんと身体を伸ばす。
「そうね、それもそうなのね。
変化して新たな面白い物語が生み出される。
人はそれを進化と呼ぶわね。
そういうことで、颯太。
ちょっと顔かしなさい。」
ちょいちょいと指で紗奈が指図。
「殴られるみたいな言い方だね。」
言われた通り顔を近付けると、紗奈は僕の首の後ろまでしがみ付くように腕を回すとそのまま口を奪う。
もきゅもきゅ。
口を離した時に自然と透明な橋がかかる。
「、、、じゃ、話が一区切り付いたから、ここからはもきゅもきゅタイムでお願いね。」
「、、、テンプレだね。
紗奈舌出して。」
紗奈が言われるままに舌を出して上目遣い。
そのままその舌を僕の舌と重ねる。
ぺと、もきゅもきゅもきゅもきゅ、、、。
まあ、いつも通りということで。
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