116日目「ネタは無いわよ?」

「ネタは無いわよ?」


紗奈さなは僕の部屋に入るなり、僕の枕に顔を突っ込み、「颯太!颯太!颯太!」と呼びながら手足をバタバタした後、そう言った。


僕は呼ばれたのだろうと紗奈の隣に座る。

「、、、まあ、そんな日もあるよね?」


ちろっと横目で僕を見て、すぐに腰に手を回してくる。

逃さぬとでもいうように。


「最近、書いてないけど、書かなくなると感覚を忘れるわ。

思わずスマホゲームしてしまったわ。

◯◯◯◯。」

「何で全て伏せ字にしたの?

普通にスマホゲームだけで良くない?」


紗奈はバタバタと足を動かす。

やめなさい。


「イチャイチャは出来るのに〜、文章は〜書けなくなるの〜♪」

「イチャイチャは創作活動、、、あー、芸術、とかじゃないからね。」


紗奈はガバッと身体を起こす。

「そういえば、颯太!

私、検証したいことがあったの!」

「なんだい?

ネタは無かったんじゃないの?」

「検証したいことはあったけど、テンションが上がらなかったのよ!

それでね、砂糖が出るほどの甘いイチャイチャってどんなのだろうって。」


、、、僕は戸惑う。


「、、、それ今、この雰囲気で検証するの?」

「う〜ん、また今度でも良いんだけど、今度にすると甘くなる前にもきゅもきゅしちゃいそうなのよね。」


「、、、甘いなら、もきゅもきゅでも良いんじゃない?」

紗奈はまた足をバタバタ。

「何か違う気がする〜!」


仕方ない、と僕は紗奈の上に覆いかぶさるように。

壁ドンならぬ、布団ドン?

紗奈はうつ伏せだけど。


「あれ、颯太?」

後ろから首筋を唇で這わす。

「砂糖が出るぐらい甘くして欲しいんだよね?」

「へ!?こ、これがそ、ハウ!?くすっぐたい!颯太くすぐったい!」


「可愛いよ、紗奈。」

耳をカプリ。


「みみみみみ、耳カプしてますよ!?颯太はん!

紗奈はんの、耳カプリ!」

耳元で、紗奈にささやく。


「食べていい、、、?」

「あわ!?あわ!?た、食べるでありますか!?

紗奈ちゃん美味しくないでありますよ!?」

耳に唇をつけ、また囁く。


「とっても美味しいよ?

僕は知ってるよ?」

紗奈は動揺が明らかに激しくなる。


「し、知られているであります!?

し、知られているであります、、、。」


後ろから首筋、そして、顔の横から、唇へ。

唇を奪う前に、互いの息がかかる位置で呟く。

「紗奈、愛してるよ?」

紗奈の耳が赤くなるのを確認して、顔を横に向かせ唇を触れるように、唇でくすぐるように。

それから唇を重ね、口の中を奪う。

もきゅもきゅ。


紗奈はされるがまま、吐息が漏れる。

「紗奈は?」

「わ、私も、颯太が、好き。愛してる。」

それを聞いた瞬間、僕はまた紗奈の口を奪う。


もっきゅもっきゅ、、、。


まあ、後は、うん、いつも通り、、、。


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