87日目「ダメよ、颯太。譲れないわ。」
「ダメよ、颯太。譲れないわ。」
紗奈は僕のベッドに座り、覚悟を決めた目で僕を見る。
僕は椅子をくるりんと回転させて紗奈を見る。
「何が?」
紗奈は一度だけ下を見て、再度顔を上げてハッキリと告げる。
「イチャイチャ最強は私たちよ。」
「うん、いきなり何を言うのかな?」
昨日の話、まだ続いてたんだ?
「考えたの。私たちが無双かどうかより、私たちを倒さずして、イチャイチャ最強を他の誰かに名乗らせる訳にはいけないって。」
「紗奈。僕らは何処を目指してるんだっけ?
イチャイチャ最強って、ただ僕らの日常を赤裸々に書いてるだけだよね?
もはや小説というよりエッセイか日記だよね?
それとラブラブカップルならしているレベルのイチャイチャだから!」
僕も何言ってるんだか。
普通の幼馴染カップルよりはイチャイチャしている自信はあるが。
紗奈は譲らない。
その瞳に闘志を燃やし。
「それでも、よ。
確かにイチャイチャは競うものではないわ。
でも、ね?
私たちを倒さず、イチャイチャ道を名乗られても私は認められないわ。
最強、、、一昨日まで私の琴線に触れることのなかった言葉、、、。
深い深いわ、イチャイチャ道。」
あ、ダメだ。
完全に暴走してる。
僕は紗奈の隣に座る。
紗奈が急に落ち着かなくなる。
そうだよねー、最近、僕らこのパターンから抜け出せないからね。
「もきゅもきゅ道では、ないよね?」
「もきゅもきゅ道は極めちゃうと、ちょっと過激というか、ぶっちゃけディ、、、」
危ない!と僕は紗奈の口を塞いだ。
もきゅもきゅ。
ツーっと。
まあ、その、、、。
紗奈はぽ〜っとした目で。
「ねぇ、、、颯太。
ふと気付いてしまったんだけど、、、。」
僕は目を逸らす。
言ってはならぬと意思表示。
「もきゅもきゅって、イチャイチャモードと変わんないよね、、、?」
クッ!?
気付かれてしまったか!
、、、仕方ない自白しよう。
「僕も昨日気付いたところだよ。」
「詐欺ね?」
クッ!?
「いや、違う、誤解だ!嘘は吐かない。
本当に昨日、チラッとあれ?もきゅもきゅとイチャイチャモードって変わりないよなぁと思いつつ、そのままもきゅもきゅしてしまっただけで!」
そこは本当だよ!
「まあ、良いんだけど。」
「良いんだ?」
紗奈は僕の肩に頭を預ける。
「、、、うん。イチャイチャしたくてしてるんだし。」
「そっか。
そうだったよね。」
お互いが想い合って、だから僕らはイチャイチャしているのだから。
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