86日目「ねぇ?私たち、何無双かしら?」

「ねぇ?私たち、何無双かしら?」


僕のベッドの上で、僕の枕を抱えながら寝転がって足をバタバタして、スマホで小説を読んでいたはずの紗奈さなは唐突にそう言った。


僕は椅子をクルンと回転させて尋ねる。

「今度は何を見たの?」

「これよ!」

紗奈はスマホを見せるので、覗き込む。

僕は電◯の新◯芸を見ながら。


「あ〜、あー。コレって何気に凄いことだよね。

下手すると、コンテスト系の大賞取るより。」

「、、、そうね。私は躊躇ためらってるわ。

テスト前で忙しいこの時に一本書き上げてしまうべきかとか。」


「まあね〜。忙しい時は仕方ないのかもね。

でも、出来ない言い訳を考えるより、やれる方法を考える、そのことが大事だよね?」


僕は気付いていなかった。

無意識であおっていたことに。


「うん、そうなのよ。

で、颯太。そこで最初の質問だけど、私たちは幼馴染無双、それともイチャイチャ無双?

、、、それとももきゅもきゅ無双?」

「もきゅもきゅは、通じる人が少ない上に、ちょっと過激じゃないか?

、、、ってまさか!?」


紗奈はにんまり笑う。


「いやぁねぇ〜、そんな訳ないじゃない。

ただ、ちょっと無双が付くなら幼馴染最強かイチャイチャ最強は譲れないかなぁと思っただけよ?

ちょっと思っただけよ?」


僕は内心、恐れ慄いている。

紗奈が本気でやるとなったら、やる。

そう言っているということは、まだなのだ。


「そ、そうだね?僕らはまだイチャイチャについては、カ◯ヨ◯では例を見ないほどイチャイチャしているとは思うけど、イチャイチャは果てしない修羅道で。」


僕も何を言っているんだか。


「、、、そうね。イチャイチャについての最強は未だ果てしない道。宣言するということはそれに挑む決意表明になるかしら?

そういえば、イチャイチャに挑むという作品は見たことないわね。」


イチャイチャは挑むものじゃないからね。


「幼馴染無双は、、、。ダメね。至高の幼馴染の道は果てしないわ。

カ◯ヨ◯でも数々の優れた幼馴染が溢れているわ。

挑戦者の1組であって、最強や無双を名乗るのは、烏滸おこがましい気がするわ。」


僕は内心思った。

紗奈が暴走仕掛けているので、紗奈の隣に座る。


「やはり、ここは禁断のイチャイチャモードで、、、あら?颯太、どうし、むぐっ!?」


もきゅもきゅもきゅ、、、。

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