77日目「こ、こういう時は書いてはいけないのよ、、、。」

「こ、こういう時は書いてはいけないのよ、、、。」


僕のベッドで僕の枕に顔を埋め、ぐったりしている紗奈は唐突にそう言った。


僕は振り返らずに、ノートに歴史を書き込みながら答える。

「うん、ダメだと思うよ?」


言ってから振り返るが、紗奈は僕の枕にズッポシと顔を埋めたまま動かない。

このまま寝るかな?


最近は紗奈がいつも僕の枕を抱えるせいで、そこはかとなく枕から紗奈の匂いがする。


変態ちっくな言い方だが、興奮するよりも落ち着く。


、、、いや、やっぱり落ち着かない。


紗奈はその状態でバシバシと自分の隣を叩く。

起きているらしい。


仕方なく僕は移動して紗奈の隣に座る。

すると紗奈は寝転んだままガシッと僕の腰にしがみ付く。

お疲れのようなので、頭だけ撫でておく。


「颯太ちょっとしゃがんで、いいえ、ちょっと寝転んで。」

言われるがままに、寝転ぶ。


すると紗奈は小動物のようにヨジヨジと僕の身体に乗る。


「私、ここ最近気付いたの。

イチャイチャには色々と種類があるって。」


「うん、そうだね。」

イチャイチャモードなんてのも、普通のイチャイチャとは違うね。


「カ◯ヨ◯にイチャイチャの波が来ている以上、更なるイチャイチャを世に打ち出すべきだと思うのよ。」


「うん、増えてはきているかもしれないけど、波と言うほど多かったかな?」

紗奈は僕の答えを無視して続ける。


「そうしていると気付いたの。

カ◯ヨ◯で多いのは、まずそっと手繋ぎ!」

「うん、基本かもしれないね。」


紗奈は上から僕の右手を掴み、手のひらをわざわざ擦り合わせ、さらに擦り込むようにしながら、指の間を擦りながら、柔らかく恋人繋ぎをする。


「さ、紗奈。

普通はそんな風にしない、かな?」

手を繋いでいるだけなのに、異常にムズムズする。


それを紗奈はニヒルに笑う。


「ふっ、コレが新たなイチャイチャ案よ。」

「うん、ちょーっと我慢が辛いかなぁ。

紗奈が疲れていなければ、この時点で颯太君としては限界来るかなぁー。」


紗奈にちょこっとだけ忠告してあげる。


「まだよ!まだ終わらんよ!

今日は是非ともこのイチャイチャを試すの!」

紗奈はさらに僕の顔に自分の顔を近付ける。


キス?

でもキスなら普通、、、よりは過激かもしれないけど、すでに、、、。


そこで紗奈は僕の顔の横に顔を近付け、、、。


ちゅぶ。

「!!??」

びくんと一瞬、僕の身体が跳ねる。


耳!耳舐められた!?

激しく動くと紗奈を跳ね飛ばしてしまうので、動きを我慢。


「さ、紗奈!?」

「うん、我慢して?」

ハミ、ハムハム、むにむに。


おおう、、、!?

「紗奈どん!?こ、これはアウトにござらんか?」

「どして?キスよりもヤラシクなくない?」


ど、どうなんだ!?

「でも、こんなのしているカップル全く見たことないよ!?」


唇で耳たぶを弄られる。

「ハムハム。見たことないから、どうかなぁと思って。」


「こ、これはイチャイチャ!?」

「ハムム、、、。イチャイチャだと思うよぉ〜?

ちょっとクセになるかも?」

耳を唇でさらにねぶってくる。


ギブアップするか、それとも。

僕は決断を迫られる。

何故なら、紗奈が止めそうにないからだ!


結論、反撃しました。

ちょっとここから先は、まあ、省略ということで。

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