76日目「やはりね。時代が動き始めたわ。」

「やはりね。時代が動き始めたわ。」


それまで僕のベッドの上で転がりながら、スマホで小説を読んでいた紗奈さなは、僕に抱き枕がわりに抱きしめられながら、唐突にそう言った。


「、、、何が?」


ちなみに僕はグッタリしている。

何かした訳ではなく、お疲れなだけだ。


「ランキングについてよ!」

コロンと紗奈はスマホを手に持ったまま、こちらに身体を向けてくる。


とりあえず、紗奈のスマホを持つ手を持ち、ちょっと上に持ち上げ避けさせる。


「あれ?」


紗奈がキョトンとするが、気にせずそのまま、唇を奪う。

「う、奪われたー!」

うん、いつも奪ってるよ。


「奪われたー!」

もう一回言うので、もう一回、今度は口を奪う。

もきゅもきゅ。


ちょいと透明なのがツィ〜っと。

手で紗奈の口元を拭いてあげる。


「それで、何?」

「ふ、颯太が凶暴化している!」

うん、こういう時の僕は挑発してはいけない。


もきゅもきゅ、もきゅもきゅ、、、。


紗奈がぐったりしたところで、口元を拭いてあげて、紗奈が持っていたスマホを覗く。


「ランキングがどうしたの?」

「うう、、、颯太が危険〜、、、。」


「もっと危険になってもいいけど?」


「こ、これよ!

ランキングに変化があるのよ!」

「ふむふむ、どんな?」


「よく見て!表向き浮気、寝取り、ざまぁが減少傾向にあるわ!」


成る程、実際に中身を見ない事には分からないけれど、表向きにアピールしている量は明らかに減っている。


「これは一時期、悲しくも幼馴染ざまぁされ作品がランキングが締めた後、それが消えゆく時の流れと同じよ!

、、、つまり新たな波が、私たちのビッグウェーブが来ておるのよ!!


見て!このイチャイチャ、ラブラブのアピールを!

ついに私たちに時代が追いついてきたのよ!」


イチャイチャは最初からチラホラ見かけていた気がするけど、紗奈が嬉しそうだからまあいいや。


「よかったね。」

頭を撫でてやる。

「子供扱いしない!」

紗奈が抗議するように僕の背中に手を回した。

紗奈の体温があったかい。


「どうやら僕は疲れているようだ。」

「そうみたいね、今日はもうお休みね?」

「うん、だから頂きます。」

「何が!?なんで!?モガッ、ん。」


混乱する紗奈の口を奪い、今日はこれにて〜、、、。


「ふ、颯太が危険、、モガッ、ん。」

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