64日目「今度こそハーレムの話をしていい?」

「今度こそハーレムの話をしていい?」


ベッドに2人で並んで座り、紗奈は僕の肩に頭を預けながらそう言った。

並んだ状態で手も繋いでいるが、恋人繋ぎではない。


これには、大きな、、、ではないが理由がある。

ここ数日のイチャイチャ事件(2人で名付けた)以来、油断をすればイチャイチャモード(これも2人で名付けた)が発動してしまうのだ。


こうなれば最早、話どころではない。

際限なくイチャイチャしてしまう。

少し話しては、イチャイチャ。

少し話しては、イチャイチャ。


何という恐ろしいモードであろうか!

あれほど脳みそを腐らせる状態が存在しようとは!

しかも、である。

その状態中もその後も、結構、いやかなり幸せだからタチが悪い。


好きだからもういいじゃん、と諦めた瞬間、戻れなくなること間違いなし!


これでも僕も紗奈も健全(?)な高校1年である。

まぁ〜、その〜、ちょっと早いかなぁって、、、2人で話し合った。


だから、もう一歩進んで恋人繋ぎでもしようものなら、スイッチが入って、昨日の二の舞いである。


帰ってすぐのキスも我慢した。

していれば、これまた発動していた。

繰り返すが、なんとも恐るべし!イチャイチャモード!!


それはまあ、ともかく。


「うん、いいけど、何か小説でも見たの?」

「ううん、もうどれが、とか言えないほどハーレム物って多いから。」

そうだね、カ◯ヨ◯ランキングでもどれかは入ってるね。

検索されやすい。


紗奈は、目線をぼうっと僕の机の方を見ながら続ける。

「もう正直に言うけど、私、ハーレム系嫌いなのよね、、、。」

「まあ、趣味趣向は人の自由だから、いいと思うよ。

僕もハーレム系は好きじゃないしね。」


思わず紗奈は僕の方を見る。

「そうなの!?

男の人は大体、ハーレム系が好きなんだと思ってた。」


酷い冤罪だ。

まあ、人によるだろうね。


「物語展開や設定をしっかりしているなら、面白いのかもね?

異世界や宮廷物なら、ベースに説得力が有れば、それほど悪くはないとは思ったけど。

現代ではなかなか難しいかな。


、、、1番は、選ばれない子、なんか可哀想になってしまう。」


「それは、恋が実らないから?」


紗奈が振った話だが、僕には気になることがあって少し饒舌じょうぜつになる。

「それも、無くはない。僕はどちらかと言うと、恋の苦しさとか、切なさとか、あまり見てても楽しい方じゃないから。


他にも主人公に対して、、、今回は男が主人公の場合で話すけど、女の子が尽くし過ぎじゃないかな?

他の人よりも対抗するのにアピールするシーンを書きたいのだろうけど。

そんな関係って、結ばれても上手くいくとは思えない。

他にも、、、ハーレム物は女の子が相手を好きになるのが、軽いというか、、、いや、ごめん、これは僕の捉え方が偏ってるからだ。」


「、、、まあ、分かんなくはないかな。

ナンパから助けてもらって、即好きですは、あんまりないかな。

好感は持つから、そこから気になって、、、がせいぜいかな。

時には例外もあるでしょうけど。」


僕は苦笑いをする。

これは状況がどうとか本当のところは分からないから、なんとも言えない話ではある。


「やっぱり最初に言ったように、当て馬のようなサブヒロインにされてしまう子とかもそうだけど、所謂、『負けヒロイン』ていうんだっけ?

何か、ね。

その子目線になっちゃうと、それってハッピーエンド物の作品でも、失恋物の作品と変わらなくないかなって。


かと言って、現代日本で、海外やファンタジーのようなハーレムが成立するかと言われても違和感感じちゃうしね。

まあ、ハーレム好きとは視点が違うから。」


ははは、となんとも言えない笑い。

そんな僕を紗奈はジーッと見る。


「、、、ま、私もそうなんだけどね。

物語はどんな形であれ、ハッピーエンドが良いわ。」


「、、、うん。」


そうして、僕らは肩を寄せ合った。



ふいに紗奈はポツリ。

「、、、ごめん、颯太。今動かないでね?

今動いたらイチャイチャモードが発動するから。」

なんで!?

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