63日目「ついにハーレムについて語る日が来たわね。」
「ついにハーレムについて語る日が来たわね。」
部屋に入るなり紗奈は、定位置(僕の枕の隣)に自分の枕を置き、修業を終えたサムライのように、ベッドの上で正座して、開口1番そう言った。
余談だが、今日も玄関に着くなり、ただいまの口付けをしてしまった。
おかえりの口付けも同時にだ。
キスと言わずに口付けと言うのは、まあ、察して欲しい。
その後、夜になり、ちょっと落ち着かない中で、机に向かいペンを手に取ったところだが、すぐに僕はペンを置いた。
そしてクルリと、椅子を回転し紗奈に向き直る。
それだけなのに紗奈は、挙動不審に視線を部屋の中で行ったり来たりさせている。
「、、、紗奈からイチャイチャしようと言ってきたのに。」
思わず僕は苦笑い。
「し、仕方ないでしょ!?
あんなに情熱的になるって、思わなかったんだから!」
なるに決まってるよ!?
なんでならないと思えるのかが、全く分からない。
僕は椅子から立ち上がる。
分かりやすく紗奈はビクッとして、それだけで顔を赤くする。
紗奈は隣に座ると、見るからに緊張して硬くなる。
頬に触れると、くすぐったいのか身悶えする。
「ふ、颯太ぁ〜、今日はハーレムの話〜、、、。」
「うん。」
そんな潤んだ目で、切なげに言われても僕にどうしろと?
手を緩めた方がいいのだろうかと、少しだけ迷うが。
何かを求めるような目な気がしたので、そのまま口付けをする。
抵抗せず応えるようにしてくれたので、正解だったらしい。
「ハーレム系〜、、、。」
紗奈がぽ〜っとした目で言ってくる。
まだ言うんだ。
「うん、僕は紗奈だけが良いかな。」
「、、、わたしも〜、颯太だけがいい。」
ポケ〜っとしているので、もう一度口付け。
もう一回、もう一回、、、。
「、、、イチャイチャって恐ろしいね。」
「、、、うん、颯太ぁ、これちょっとヤバいね。」
一度火の着いた本気のイチャイチャは、洒落にならない。
僕と紗奈は身を持って体験した。
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