61日目「イチャイチャするわよ!」

「イチャイチャするわよ!」


僕のベッドの上で、寝転がって足をバタバタして、スマホで小説を読んでいたはずの紗奈さなは唐突にそう言った。


僕はペンを持ったまま、椅子を回転させて振り返る。

「誰と?」


というか、その話題まだ終わってなかったのか?


そこで紗奈大魔神の怒りに、触れてしまったらしい。

「颯太に決まってるでしょ!?

何!?愛しの彼女に他の男に目を向けろと言うの!?

そんなこと言うと監禁するわよ!

強制イチャイチャよ!」

紗奈は僕の枕をバシバシ叩く。


強制イチャイチャとは新しい言葉だね。

、、、でも、確かに今の返事は、僕が悪かったな。


僕は椅子から立ち上がり、そのまま紗奈の隣に座り、紗奈の髪に触れる。

「ごめん、監禁は良いけど、紗奈が他にいくなんて考えただけで嫌。」


紗奈の髪を手で掬うように触れる。

「私は気付いてしまったのよ!」

フンスフンス、と興奮する紗奈も可愛いなとキスを、、、。


「ちょっと待ったー!!」

両手で止められた。

「何?嫌だった?」

嫌なら仕方ないけど、僕としてはちょっと悲しい。

その僕の様子に紗奈は動揺。


「い、嫌な訳ではないのよ!?

私たちは今、何をしていると思う?」


「イチャイチャしてるね?」

「してるのよ!」


僕は首を傾げる。

イチャイチャしたいんじゃないの?

そう言ってたし。

じゃあ、どうしてさっき止めたんだろう?


疑問がいっぱいだ。


「私はハッと気付かされてしまったの。

私たちにはイチャイチャレベルが足りないって、、、。」


「うん、イチャイチャにレベルがあるなんて初めて知ったよ。」


それに対して、紗奈は嬉しそうに頷く。


「そうでしょう?

ほら!とにかくイチャイチャレベル1!」

隣に並んだ状態で、手を繋ぐ。

恋人繋ぎではない。


紗奈の手は柔らかくてドキドキするね。


「紗奈の手は柔らかくてドキドキするね。」

思ったことを口にする。

明らかに紗奈が動揺する。

ちょっと顔が赤い。


「な!?イチャイチャレベル1でいきなり堕とす気ね!

そ、そう簡単にこの紗奈ちゃんが堕ちると思わないでね!

ほ、ほら、続きするわよ!」

そう言いながら、僕の方を恥ずかしそうにチラチラ見るながら。


、、、良いのだろうか?

続きとなると結構大人なキスになるけど?


、、、まあ、いいか。

紗奈が良いって言ってるし。


そうして、僕は考えるのをやめた。

紗奈の両肩を持つ。

ゆっくりと触れ合うキスから、、、。

もきゅもきゅ。


ふ〜、、、と離れる。

紗奈はちょっとぽーっとして赤い顔で、、、。


「ち、ちが〜う、、、このキスなんだけど、それだけじゃないの〜、もっと心のこもって、、、。」

とりあえず、口を口で塞いでおいた。


これ、クセになるから気を付けないと。

もっきゅもっきゅ、、、。

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